ぼくの持ち主が鼻水をすすっています。どうやら風邪をひいたみたいなんです。
マスクをした持ち主を見て、隣の席のボスが予防予防と言いながらマスクをしました。
しばらくして、そのボスがはっくしょん。と、くしゃみをしました。
すると次の瞬間でした。持ち主とボスの周りの人々がみなおもむろにマスクを取り出し装着しはじめたのです。
こうして持ち主の席付近は、怪しいばかりのマスクの人々ばかりとなりました。
ぼくの持ち主、今日は会社をお休みしてのんびりしたんです。
でも本当は、昨日休むつもりだったんです。
仕事も落ち着いてるし、ちょっと休もうかな〜と思い、ふたりのボスに休みたいと言ったんです。
ところが却下されました。会議が近いから、緊急に仕事があるかもしれないというのです。
ここのところボスが忙しくて、まったく持ち主は放置されていたので、問題なく休めるだろうと思っていたため計算違いでした。
仕事ですから仕方ないんですが、休む気でいたところに仕事というのは、とっても億劫なものです。
でも、ボスたちの想定通り、昨日は地獄の忙しさでした。次から次にボスから仕事が飛んできて、持ち主はヘトヘトになったんであう。
ああ奴隷みたいだぁ。
持ち主がつぶやくと、ボスはにっこり笑って言いました。
そうねぇ。キング牧師みたいに奴隷解放演説しないとねぇ。
ちょっと高級なポッキーをもらったぼくの持ち主は、それを冷やしておこうと、名前を書いてクーラーの吹き出し口に置いておいたんです。
するとボスが、
そんなとこに置いといたら、食べられちゃいますよ。
と、いうので持ち主は
名前書いといたから、大丈夫ですよ。
と、答えたんです。
翌日、ポッキーを食べようと取りに行ったら、持ち主のポッキーがなくなっていたんです。
ああ!ポッキーが!
と、持ち主が悲しんでいると、ボスが大大爆笑しながら言いました。
ほら!だから言ったじゃないですか!性善説なんて信じちゃダメなんです。言った通りになったじゃないですか。
もう、お腹を抱えて笑ってます。
でもそのあとね、ボスの高級ポッキーを持ち主にくれたんです。
ボス、意地悪そうでいて優しいんですよね。
国分寺近辺を散歩しようと、待ち合わせた持ち主とお友達。
まずはパン屋さんで軽く腹ごしらえをしようと歩き出しました。
するとお友達が叫びました。
あ!
どうしたのかと尋ねると、お友達の日傘の一部が壊れていました。
一つ目の災難です。
腹ごしらえをしたパン屋を出て、水を調達してトコトコお散歩を始め、結構な坂道を下がっていたところ、再びお友達の叫び声が。
あ!
なにかと思ったら、こんどはサンダルの底がパックリこわれていました。
二つ目の災難です。
その後、バーゲンにてなかなか素敵なサンダルとワンピースをゲットしたお友達。
ご機嫌で帰って行きました。
その後、持ち主のケータイが震えます。
なんとお友達、ランチしたお店にスマホを忘れてきていて、無事に見つかったとのお知らせ。
三つ目の災難です。
国分寺は、お友達にとって鬼門なのでしょうか。