ぼくの持ち主は、完全なる猫派ですが

ある時

わんこを見てどきっとしました。

それは

テディベアのようなわんこでした。

なんて、かわいいんだ！

白いわんこで、このカットをすれば

しろくまになるかもしれない。

ぼくの持ち主は

大興奮で調べて始めました。

ところが、あのカットでわんこをクマらしくするには・・・

トイプードルの赤ちゃんのしっぽを、切らなくてはならないことを知ったのです。

たしかに、しろくまのしっぽは短い。

持ち主は反省しました。

自分のぬいぐるみとして、生き物をあつかおうとしたことを・・・

そうして持ち主はまた、雑種の猫好きに戻ったのでした。

きょう、ぼくの持ち主は

会社の自販機で

ジュースを買いました。

小銭がなかったので

千円冊をいれました。

すると

おつりがすべて100円玉でした。

なんだかちょっとアンラッキー

きのうは

７０円のジュースを買うのに

１２０円をいれたら、５０円玉ではなく

１０円玉が5枚でてきました。

なんだかちょっとアンラッキー

スーパーでもらったおつりが旧５００円玉。

なんだかちょっとアンラッキー

同じお金なのに不思議ですね。

ぼくの持ち主がさいきん

自慢に思っていることは腹筋です。

持ち主のお腹には

さいきんうっすらと

線が浮きでてきたのです。

そうです。

腹筋がわれてきたようなのです。

持ち主は

自慢げにお友達にいいます。

さいきん、うっすらおなかがわれてきた。

すごいね？腹筋やってるの？

うん。毎日やってる。

何回？

１０回。

そうなんです。

ぼくの持ち主ったら、毎日１０回しか腹筋をしてないのです。

でも、1年半も続けていますから、継続は力なり　と、いうことでしょうか？

昨晩、ふとんの中にいた持ち主は

びくっとしました。

なぜなら

猫の鳴き声がしたからです。

持ち主は

怖くなって起きあがりました。

ここは３階です。

猫がいるはずはないのです。

空耳だったのでしょうか？

それとも、猫好きの持ち主の妄想だったのでしょうか？

そのとき、また鳴き声が聞こえました。

持ち主は、思いきってカーテンをあけました。

すると、ベランダに猫がいるではありませんか。

確かに生きている猫です。

どうやら、どこかで飼っている猫が、ベランダにでてしまったようです。

大きな目で持ち主の顔をじっと見て、せつなそうに鳴く猫。

しばらく鳴いて、その子は自分の部屋に戻っていきました。

不意のお客さまでしたが、持ち主はなんだか幸せな気持ちになりました。

きょう

ぼくの持ち主の大切なお友達から

入籍報告がありました。

彼女が好きになった人は異国の人。

彼の仕事の都合や挙式前の事故。

いろんなことで

彼女の入籍はのびてのびてのびて。

すきな人と離ればなれであること。

それってどんな感じなんでしょう？

そんな長い時間を越えて、結ばれたお友達に

ひねくれ者の持ち主も、すなおにおめでとうと思ったのでした。

ぼくの持ち主は

とても胃腸がよわいです。

とくに、疲れていたりすると

消化できないときもあります。

持ち主が

一番消化しにくい食物は

生のイカですが

調子がわるいときは

火がとおっていても消化できません。

そんな持ち主に、お友達が言いました。

前世はきっと、猫だね。

そういえば、猫はイカを食べると腰をぬかすっていいますもんね。

恋愛狩人を自称する

ぼくの持ち主ですが

その恋愛へ対する姿勢は

つねに、直球、ストレート勝負です。

お友達とそんな恋愛話をしていたら

こんなことを言われました。

ふつう、

直球を投げても打ち返されるから

変化球をおりまぜるのであり

直球だけで勝負できるということは

すごいことではないか？

ああ、そんなこといったら、持ち主がまたお調子にのるじゃないですか。

どんな豪腕ピッチャーにも、引退の時はくるのですよ。

きのうぼくの持ち主は

お友達２人と千葉の川村記念館に

行ってきました。

ひさびさの小さな旅です。

広い空と水と芝生と太陽と。

なんだか、心も広がっていくような

そんな気持ち良さです。

あまりのきもちよさに

ぼくも持ち主のかごから

飛びだしてみました。

そして、初対面のお友達の肩にのってみました。

すると、その人はいいました。

やめてください。おかしな人だと思われます。

ああ。ぼくは、少しお調子に乗ってしまったのですね。

ごめんなさい。

だれにでも受入れてもらえると、うぬぼれていたぼく。

少し反省です。

ぼくの持ち主にはいま

とっても気になる広告があります。

それは

スパイダーマン３の映画広告です。

それは電車の中刷り広告で

スパイダーマンが

横長に写っているのですが

持ち主が

どうしても注目してしまう箇所は

映画の題名のところです。

「スパイダーマン３」が

何度読んでも、持ち主には

スパイダーマンヨ

と、読めるのです。

そして持ち主は、全身タイツのスパイダーマンが

しなをつくって、「スパイダーマンよ」と、言っているところを

どうしても想像してしまうのでした。