月別アーカイブ: 2008年4月

飛び石連休

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昨日の朝、持ち主は

会社に行きたくないといって

ぐずっていました。

今日、休めば4連休だったのに。

持ち主はつぶやきます。

でも、ふと思い出しました。

4連休の最後の日って

とてもせつないものでは

なかったでしょうか。

あと、休みが一日しかない。そう思うと、朝からとても憂鬱ではないでしょうか。

それに比べて、仕事の合間にあいた、たった一日のお休み。

こんなにすてきなものはありません。

昨日、そうやって自分を納得させた持ち主は、うきうき休みを満喫中です。

愛の重み

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きのう、ぼくの家に

ぼくの持ち主のお友達と

もうすぐ2歳になる息子のまろくん

(仮名)が遊びにきました。

車の中でお昼寝していたまろくんは

起きぬけなのと

知らない人に会った恐怖とで

泣き叫びました。

泣き止まないまろくんに

まろママはテーブルの上にいたぼくを渡したのです。

ほ〜ら、TJだよ〜。

すると、なんということでしょう。

ぼくを見たまろくんは、にっこり微笑み、ぼくをにぎりしめたのでした。

ぼくのことをすっかり気に入ったまろくんは、ぼくをにぎりしめたまま離しません。

そして、ぼくに焼き芋を食べさせたり、ぼくの口に手を突っ込んだりと大活躍です。

そんな、持ち主とまろままが目を離した瞬間でした。

なんと、まろくんが、ぼくの左手を口にいれてちゅーちゅー吸っているではないですか。

ああ、愛されるって、大変なことなんですね。

狩猟生活

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ぼくの持ち主が

今のお部屋に住み着いて

もうすぐ、5年になります。

古いマンションですが

とても気にいっています。

でも、ふと思いました。

そろそろ引越しかな?

引越し好きな訳ではありません。

でも、持ち主のこれまでの人生は

なぜか移動の繰り返しでした。

引越し回数は、実に11回。一番長く住んだところで7年。

免許証を続けて同じところで更新したことはありません。

そのせいか、そろそろ移動かな?なんて、思ってしまうのです。

本当は、同じところで農耕生活をしたいのに、狩猟生活を余儀なくされるといった感じなのです。

そんな、狩猟民族の持ち主は言いました。

だから、肉が好きなのか!

それとは、まったく関係ないと思います。

本末転倒

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日曜日

ぼくの持ち主は早起きしました。

なぜなら、日曜日の午前中は

近所のスーパーの

ポイント3倍デーだからです。

まとめ買いには

もってこいの日なのです。

うっかり者の持ち主は

こうしたポイントや割引券など

ついつい忘れてしまい、使うのがあまり得意ではありませんが、

物価上昇にさらされる昨今、生き延びていくには、不得意だなんて言ってられません。

スーパーは、朝だというのに混んでいました。みんな、ポイント3倍狙いなのでしょうか。

持ち主は、必要なものをカゴにいれ、レジに並びます。

レジの列は、まだそれほど長くはありませんが、みんなまとめ買いなのか買い物量が大量です。

ようやく、持ち主の番です。

混んできたレジをさばくため、レジのおばさんの動きが激しくなっていきます。

なるべく素早く会計を済まそうと、焦りながらも、持ち主はお金を出しました。

品物を袋につめ、店を出た後、持ち主は、なにかを忘れているような気がしてなりません。

なんでしょう?

しばらくして思い出しました。

そうです。ポイントカードを出し忘れたのです。

なんということでしょう。わざわざ早起きして、混雑の中買い物したというのに。

持ち主は、がっくりと肩を落としたのでした。

植物の力

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ぼくの持ち主はその日

ちょっとのびすぎたアイビーの枝を

切っていました。

まだ、元気な枝を

捨てるのも忍びないので

小さな花瓶に枝をさしておきました。

ある日のことです。持ち主は

大変なことに気がつきました。

根が生えるのと逆の方向に

枝を花瓶にさしていたのです。なんということでしょう。

持ち主は、方向を変えようといそいで枝をつかみました。

なにげなくつかんだ枝を見てみると

なんと、そこにはちいさなちいさな根っこが生えているではないですか。

持ち主は、そのまま枝を花瓶に戻しました。

逆方向でも生きようとする、つよいつよい植物の力をぼくらはみたのです。

黄色い靴下の人

ぼくの持ち主は

古いマンションに住んでいます。

朝、会社に行く前によく出会うのは

幼稚園生の女の子と、彼女の妹と

お母さんの3人です。

いつも、笑顔で挨拶をかわします。

その日持ち主は、ワンピースに

黄色いタイツという、持ち主的な

コーディネートでした。

幼稚園生の女の子が走ってきて、こんにちはっと、元気に挨拶します。

持ち主も、おはようございます。と、答えます。

つぎの瞬間でした。走っていた幼稚園生は

くるりと向きをかえ、興奮ぎみに叫びました。

おかあさ〜ん。黄色い靴下の人がいた〜。

幼児にとっても、持ち主のコーディネートは刺激的だったようです。

定期

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終業のチャイムがなると

ぼくの持ち主は

定期を買うから帰りま〜す。

といって、帰り支度を始めました。

すると、チームのお姉さんが

にこにこいいました。

定期ですか?

はい。定期です。

いいですね。

なにがいいんでしょう?持ち主の頭の中は?でいっぱいです。

どこで買うんですか?

小川で

なにを買うんですか?

継続ですけど。

え?

ここで、お姉さんの顔にも?マークがともりました。

どうやら、二人は何かを勘違いしてるようです。

持ち主はお姉さんに近付きました。

定期ですよ。

え?ステーキじゃないの?ステーキ買うから早く帰るのかと思ったぁ。

お姉さんったら、食いしん坊なんですね。

おみまい

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ぼくの持ち主は、実家に到着すると、すぐに

ぼろちゃんのところに駆け寄りました。

目をケガした猫のぼろちゃんの首には

エリサベスカラーがまかれており

痛々しいです。

けれど、失明の恐れもあるというのに

当事猫のぼろちゃんはのんきなもんで

持ち主を見ると

不満そうにニャーと鳴きました。

それから鬱陶しそうに

両手でカラーをつかむと、懸命にはずそうとします。

じたばたするその姿は、まるで踊っているようです。

笑っている場合ではないのですが踊る猫の姿に、なんだか笑いがこみあげてきます。

けれども、ふと目のことを思いだして、持ち主はとても不安になります。

どうかぼろちゃんの目が治りますように。

ぼくと持ち主はお祈りするのでした。

ねこは話ができない

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ぼくの持ち主の実家に

毛むくじゃらの猫がいます。

ディアボロという

立派な名前がありますが、長いので

ぼろちゃんと呼ばれています。

今日、持ち主母から

そのぼろちゃんについて

衝撃的な連絡がありました。

ぼろちゃんが目を傷つけて

失明しそうだというのです。

ぼろちゃんの目には白い点があって、持ち主母は気になっていたそうです。

ずっとにゃーにゃー鳴いていて、少し様子がおかしいと、持ち主父は思っていたそうです。

それが、まさか失明しそうだなんて。

痛くても、ねこは痛いといえません。

かわいくてかわいくて、とても愛情をかけているのに気付いてあげられなかった。

もう少し早く気付いていれば…

持ち主母と持ち主父は、たいそう後悔しているのだそうです。

明日持ち主は、ぼろちゃんのお見舞いに行く予定です。

アスリート

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今朝、玄関を飛びだした持ち主は

めずらしくダッシュです。

のびかけの髪を

小さなだんごにしようとして失敗し

時間を大幅にロスしたのです。

走りながら前方を見ると

あの人が走っています。まずいです。

持ち主が目安にしたあの人とは

時々、電車のベルとともにダッシュで乗り込んでくる女性です。

ヒールにタイトスカートという装いで、息も切らさずに飛びこんでくる

そんな彼女のことを、持ち主はひそかにアスリートと呼んでいます。

そのアスリートが前を走っているのです。危険な時間なのでしょうか。

持ち主は走りながら時間を確かめました。

すると、まだ時間に余裕があり、走るほどではないようです。

駅の手前で、持ち主は歩きだしました。けれども、アスリートは走り続け

そのままホームの向こうまで行ってしまいました。

アスリートの目的は、電車に間に合うために走るのではなく

ただ走ることなのかもしれないと、持ち主は思いました。