月別アーカイブ: 2011年9月

汚れで水を吸わない

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ぼくの持ち主は

いつも会社のデスクで

お茶を飲んでいます。

しかしその日

そこつ者の持ち主は

カップを引っかけて

お茶をデスクにこぼしたのです。

けれどもカップには

少量しかお茶が

入っていなかったため

大事には至りませんでした。

しかし、ぼくは緊張していました。

なぜなら、少量とはいえ

お茶がぼく目がけて

流れてきたからです。

そして水は、なんとぼくの右足まで水分がたどり着いたではないですか。

ああ万事休す。またお風呂か。

そう思った次の瞬間、持ち主がひょいっとぼくを持ち上げました。

そして、ぼくの右足を触りながらいいました。

おお。汚れで水を吸わなかったか。よかったよかった。

それって、なんだか失礼じゃないですか?

ななめ

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その日、ぼくの持ち主は

一瞬躊躇しましたが

電車の空いている座席に

座りました。

なぜ、躊躇したかというと

右側の人が

大変大きな人だったからです。

たぶん

隣に座ったらきついでしょう。

また、最近の座席は、一人用に盛り上がっているため

隣で大きな人が、はみ出して座っていると

盛り上がり部分に座るはめになり

身体がななめになって、なんとも座りづらいのです。

でも持ち主は、疲れていたので、ななめになりながら大きな人の横に座りました。

ですが、やはりななめはつらいです。

そこで持ち主は、次の駅で反対側の人が降りた時、ひとつ席をずれました。

やはり、まっすぐ座れると楽です。

ところが、次の瞬間です。

先ほどまで持ち主が座っていた座席に、人が座ったのです。

それも、大きめな人です。

こうして持ち主は、二人続く大きな人の横で

さっきよりななめに座ることとなったのです。

ブランド好き

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その日、ぼくの持ち主は

封筒を持って立つ

おじさまに目が行きました。

それほど変わっているわけでない

ふつうの風貌のおじさまです。

次の瞬間、持ち主は気づきました。

なんと、おじさまが

斜めがけしているバックは

プラダではないですか。

そして、手元を見ると

時計はロレックスです。

どうやらおじさま

ブランド好きのようです。

こうなったらもう、眼鏡のブランドを確認するしかありません。

持ち主は、さりげなくおじさまの横に立ちました。

ところが、そちら側には、ブランド名が入っていません。

しかし、持ち主が反対側に回ろうとしたその瞬間、なんとおじさまは

持ち主の歩く方とは違う方向へ行ってしまったのです。

ああ。残念です。そして、気になります。

ブランド好きのおじさま

どのブランドの眼鏡をかけていたのでしょうか?

猫指輪

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調金を習い始めて2年半。

ぼくの持ち主も

少しずついろいろなことが

できるようになってきました。

でも、困っていることがあります。

それは、作りたいものが

なくなってきたことです。

もともと、宝飾品そのものより

作る過程に興味がある持ち主。

なにを作るかについては

いつも悩みます。

そんなある日持ち主は、家の中で猫と目が合ったのです。

猫といっても、生きている猫ではありません。

猫好きの持ち主のために、屋久島土産にお友達が

買ってきてくれた猫のストラップです。

目つきの悪さがたまらない顔をしています。

これを使ってなにかできるかも。

持ち主は、早速先生に相談してみました。

こうして、あまり売っていそうにない

ちょっと目つきの悪い猫の指輪は完成したのです。

あたまをぶつける

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ぼくの持ち主は

どちらかというと鈍くさい方です。

運動神経が

ない訳ではありませんが

なにもないところで

つまづいたりします。

その日

まだ来ない電車を待とうと

持ち主がベンチに

座ろうとした時のことです。

ゴンっと、よい音がしました。

実は、ベンチには看板がついていて

持ち主は、座った瞬間に

そこに頭をおもいっきりぶつけたのでした。

ついでに、結構痛かったので、うっかり声に出して

いでっと、言ってしまいました。

その持ち主の不幸な瞬間、持ち主のまわりの人々がどうしたかというと

もちろん見てみぬふりをしていたのでした。

しろくまの真実

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ぼくの持ち主のお友達に

大変色白な方がいます。

この方に、ぼくはいいました。

色白ですよね。

うらやましいです。

ぼくより白いのではないですか?

すると、その方は言ったのです。

そんなことはないですよ。

TJの方が白いですよ。

そこで、ぼくは長年に渡る悩みを

打ち明けてみました。

実はぼく、薄汚れてるんです。

かなり汚いと言われます。

すると、その方はこう言ったのです。

現実の白くまって、だいたいそんな色じゃないですか?

そうなんです!そうなんですよ。

ぼくは、その考えに共感しました。

ぼくを汚いというみなさん。ぼくは、白くまを忠実に模しているのです。

だから、薄汚れた色なのですよ。

長靴男子

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雨の日、長靴を履く女子が

本当に増えてきました。

ですが最近は

長靴男子も増えてきたようです。

その日、ぼくの持ち主が

見かけた長靴男子は

持ち主の視線を釘付けにしました。

白地にベージュの格子柄シャツに

ベージュのコットンパンツを合わせ

その上から

ブルーの長靴をはいています。

小物は、サングラスに

白いコットンバックです。


ブルーの長靴にサングラスというアイテムは

一瞬お魚屋さんと見まがう難易度の高いものですが

たぶん彼は、お魚屋さんではなくおしゃれ男子です。

もしかすると、おしゃれお魚屋さんの可能性はありますが。