ぼくの持ち主が
通勤電車に揺られて
三鷹駅に到着した時のことです。
窓から見える景色を見ていた
持ち主は、驚愕したのです。
なぜなら
駅にある看板が
どう見ても逆さまに
取り付けてあったからです。
なぜ、さかさまに？
目立つためにあえてさかさまにしてあるのでしょうか？
それとも、うっかりさかさまに取り付けてしまったのでしょうか？
どちらにしろ、見にくいことだけは確かです。
ちなみに看板は、まるきゅーもという高収入お仕事情報の看板でした。

ここ数年、単色の作品ばかりを
作っていたぼくの持ち主。
今回は、複数の色を使うことに
決めていました。
たくさん色を使うと
ちょっと面倒くさいかな？
などと
作り手にはあるまじきことを
考えていたのです。
けれども、いざ、いくつかの色を
キャンバスにのせていくと、思いのほか
なんだかワクワクしてきたのです。
作る時に起きたこの感覚は、なんだかすごく久しぶりの感覚です。

その日会社で、ぼくの持ち主が
トイレへ行こうと
通路を歩いていると
ミャー
という猫のなき声がしました。
ぼくの持ち主が働く場所は
ビルの９階です。
猫がいるはずはありません。
振り返ると
顔見知りのお姉さんも
振り返ったとこでした。
目が合って、お互いに確認しました。
今、猫の鳴き声しましたよね？
ふたりとも、釈然としない顔をしていたのでしょう。
すると、そばで黙々と作業をしていた宅配業者のおじさまが言いました。
あ。わたしです。
なんと、猫の鳴き声は、おじさまの携帯の着信音だったのです。
真面目そうなおじさま。実は、猫好きだったのですね。

いま、ぼくの持ち主には
悩みがあります。
それは、お菓子を食べ過ぎて
しまうことなのです。
いま持ち主が働く職場は
食品会社のため
賞味期限近いお菓子を
たくさんもらえるのです。
子供の頃から
お菓子が大好きだった持ち主。
その頃から考えると、夢のような職場です。
でも、お菓子があれば食べてしまうのです。
そして、お菓子を食べると太ってしまうのです。
でも、お菓子が大好きなんです。
本当に悩ましいのです。

ぼくの持ち主、ここのところずっと
首が痛いんです。
あれは土曜日の朝。
起き上がる時に、気づいたのです。
首が痛くて起きれないことに。
どうやら、寝違えたようです。
持ち主は、枕に対して
首を直角に近い形にして
寝ていたようで
そのため、寝違えたようなのです。
それから、４日目。
持ち主の首は相変わらず重く痛いです。
これ、いつなおるんでしょうか？

ぼくの持ち主は
いつもお弁当を作っているのですが
今日はたまたま
お弁当を作っていませんでした。
そこで、久しぶりに
お弁当を持っていなかった
お友達と連れ立って
外へランチに出かけたのです。
天気はポカポカで
外を歩くだけで
なんだかワクワクします。
いつもとはちがう
ちょっと洒落た店でランチをしていると
なんとも楽しい気分になります。
そして、大変よい気分転換になりました。

見てください。
これは、ぼくの持ち主のために
お友達が作ってくれた
おはし入れです。
久しぶりにあった時に
プレゼントしてくれたのです。
裏地もついていて
なかなか凝っています。
お友達は
端切れで作ったんだよ〜。
なんて言ってましたが
持ち主は、その優しさにぐっときてます。
大切にします。
ありがとうございます。

ぼくの持ち主のお友達が
Facebookで、キティちゃんの
ドーナツを紹介していました。
それを見て
すごくうらやましくなった持ち主は
ミスドで買っちゃいました。
キティちゃんドーナツ
しかし、キティちゃんドーナツを
かじる持ち主は、お友達に
たいそう呆れられたのです。
なぜなら、そのキティちゃんを食べた後は
お友達とご飯を食べる約束をしていたからです。
案の定、すぐにおなかがいっぱいになってしまった持ち主に
ドーナツなんか食べてるから！
と、お友達は言いました。
でも、食べたかったんです。
欲しかったんです。キティちゃん。

ぼくの持ち主は
ゴルさん好きです。
ゴルさんって、誰かって？
それは、ゴルゴ１３です。
でも、こんなに好きだというのに
持ち主はゴルさんの漫画を
読んだことは
数回しかありません。
持ち主がゴルさんを好きな理由は
ゴルさんのクールな名言に寄るところが大きいです。
持ち主の好きなゴルさんの名言は
「俺の背後に立つな！」
です。
日々の瑣末な出来事にイライラすることなく
ゴルさんのように、クールに生きたいのですが、なかなか、むずかしいものです。

その日の歓送迎会の場所は
あるもんじゃ焼き屋さんでした。
大きな鉄板の上に
巨大なお肉とニンニクがどーんと
乗せられました。
お店の人に
肉はいじらないで、ニンニクを炒めてくださーい。
と言われ、みんなで一生懸命
ニンニクを炒めます。
巨大お肉を
レアでほふほふ食べた後、つぎは
鉄板掃除してくださーい。
と言われ、今度は海鮮を焼かされます。
はい。バター乗せてー
溶けたら、エビ乗せてー
はい。いじらない。
そしてまた
鉄板掃除してー。
巨大メンチカツとキャベツがドンと乗せられます。
はい。切って〜。
はい。次はもんじゃ焼きますから、鉄板掃除して〜
若くてかわいらしいお姉さんの命令を聞いて
結構いい大人のおじさんたちが、鉄板を懸命に掃除したりする様は
なかなか面白いものです。