週末、ぼくの持ち主は、佐倉の美術館に行ってきたんです。
ちょっと遠いので億劫だったんですが、お友達が付き合ってくれるというので、重い腰をあげたんです。
当日、二時間かけて辿り着いた美術館は、庭園の中にあります。
庭園に入ると、その入口には不思議な赤い実が落ちていました。
美術館の人に聞くと、これがやまぼうしらしいです。初めて見ました。
その不思議な形に魅せられたのか、お友達が嬉しそうにやまぼうしの実を拾い、花束のようにして手に持ちます。
いつもシャイではしゃぐタイプではないお友達が、その日はなんだか幼い少女のようにぼくには見えたのでした。