しろくまシンガポールからバルセロナへ行く〜111〜

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☆凱旋門の呪い3☆

夕飯の店をでて

歩きながら持ち主は言いました。

地下鉄、乗っちゃう?

そうなんです。

あんなに悩んで回数券を買ったのに

バルセロナは

ほとんどが歩いて行けるところ

ばかりだったので

回数券がまだ残っているのです。

乗っちゃうか?

いつもなら、歩いて帰る道のり、2人は贅沢をすることに決めました。

この選択が、最後の呪いの序章となることも知らずに。

2人のホテルは、地下鉄の駅テティアンから数分のところにありますが

でも、これまでテティアンの駅を利用したことは、ありませんでした。

地下鉄テティアンの駅に着き、地上に出た瞬間、

2人は地下鉄に乗ったことを後悔しました。

なぜなら、自分たちのホテルがある方向が、まったくわからなかったからです。

そうなんです。この付近は、碁盤の目状に道が広がっているため

道の太さは同じで、地図を見ても、どこにいるかがわからないのです。

2人は焦りました。周りはまっくらなのです。

しかし、思い出しました。この付近には、あの呪いの凱旋門があるはずです。

凱旋門を背にした左手側に、ホテルがあるはずです。

持ち主たちは、道が交差した場所にある広場まで行きました。

時刻は19時すぎ、真っ暗な広場の中は、なんだか危険な香りです。

持ち主が、周りを警戒し、エリーが凱旋門を探します。

あったよ!

エリーの声に導かれて振り向くと

真っ暗の闇の中に、ぼんやりと凱旋門が浮かんでいました。

凱旋門の呪いで迷ったのか、凱旋門のおかげで道がわかるのか

どちらなのかは謎なのですが、2人はホテルへとたどり着くことができたのです。

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