☆凱旋門の呪い3☆
夕飯の店をでて
歩きながら持ち主は言いました。
地下鉄、乗っちゃう?
そうなんです。
あんなに悩んで回数券を買ったのに
バルセロナは
ほとんどが歩いて行けるところ
ばかりだったので
回数券がまだ残っているのです。
乗っちゃうか?
いつもなら、歩いて帰る道のり、2人は贅沢をすることに決めました。
この選択が、最後の呪いの序章となることも知らずに。
2人のホテルは、地下鉄の駅テティアンから数分のところにありますが
でも、これまでテティアンの駅を利用したことは、ありませんでした。
地下鉄テティアンの駅に着き、地上に出た瞬間、
2人は地下鉄に乗ったことを後悔しました。
なぜなら、自分たちのホテルがある方向が、まったくわからなかったからです。
そうなんです。この付近は、碁盤の目状に道が広がっているため
道の太さは同じで、地図を見ても、どこにいるかがわからないのです。
2人は焦りました。周りはまっくらなのです。
しかし、思い出しました。この付近には、あの呪いの凱旋門があるはずです。
凱旋門を背にした左手側に、ホテルがあるはずです。
持ち主たちは、道が交差した場所にある広場まで行きました。
時刻は19時すぎ、真っ暗な広場の中は、なんだか危険な香りです。
持ち主が、周りを警戒し、エリーが凱旋門を探します。
あったよ!
エリーの声に導かれて振り向くと
真っ暗の闇の中に、ぼんやりと凱旋門が浮かんでいました。
凱旋門の呪いで迷ったのか、凱旋門のおかげで道がわかるのか
どちらなのかは謎なのですが、2人はホテルへとたどり着くことができたのです。