昨日、家を出ると
雪が降っていました。
結構な大粒です。
大人になって
仕事をするようになり
ぼくの持ち主は
雪が嫌いになりました。
寒いし、会社まで行くのも
家に帰るのも大変だからです。
電車は遅れるし、道は滑るし
雪が降ると聞くたびに、憂鬱な気分になりました。
けれども昨日の、持ち主の心は違っていました。
持ち主は、傘にぼとぼと落ちる大粒な雪が降ってくる
空を見上げていたら、なんだかワクワクしてきたのです。
子供の頃、雪が降るとなぜだかうれしくて仕方なかった
あの時みたいな興奮です。
なぜでしょう？
なんだか嬉しくて、雪をきしきし踏みしめながら、持ち主は駅へと向かったのです。