冤罪

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会社の帰り道、ぼくの持ち主がエレベーターに乗ろうとした時のことです。
めずらしくエレベーターがすぐにやってきて、そして誰も乗っていませんでした。

ラッキーとばかりに乗り込んだ持ち主は、すぐにその異変に気付きました。
エレベーターの中が臭いんです。
どのように臭いかというと、いわゆるおならのにおいです。

たぶん、持ち主がエレベーターに乗る寸前に乗っていた人が、
降り際におならをして行ったのでしょう。

しかし他の階に止まることなく、エレベーターは1階へと降りていきます。
胸をなでおろす持ち主に、不幸が襲いかかります。
チーンとドアが開いた瞬間、そこには、ひとりのおじさんが立っていたのです。

降りながら、ぼくは思いました。
このおじさん、持ち主がおならをしたんだと思うだろうな。

おじさん、たしかに持ち主はおならをしますが、今回は冤罪ですよ。

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