ぼくの持ち主のファッションセンスは

あまり一般的ではありません。

けれども、みなさん慣れてきたのか

それとも、あきれてるのか

持ち主が何を着ていても

誰もなにも言いません。

持ち主は赤いタイツを持っています。

少し派手かとも思いましたが

誰もなにも言わないから、

一般的なセンスなんだろうと思い何度かはいていました。

そしたら昨日、お友達に言われたんです。

すごい色はいてるね。

やっぱり、すごかったのですね、赤いタイツは。

きょう、ぼくの持ち主が

コンビニで雑誌を買おうと

並んでいると、前のおじさんが

親切にも教えてくれました。

ちょっと、時間がかかりますよ。

そのおじさんが

レジに請求書をおくと

５万２８００円です。

と、レジのお姉さんがいいました。

おじさんはお金を払うと、また請求書をおきました。

２万4０００円です。

お姉さんはいいました。

おじさんはお金を払うと、また請求書をおきました。

隣のレジが開いたので、持ち主はそこで清算しました。

ところが、コンビニを出る時、持ち主はたしかに聞いたのです。

２４万６８００円です。

おじさん、いったい何を買ったんですか？

こないだ、ぼくの持ち主は

仲良しのおじさんに誘われて

新年会に参加してきました。

このグループに誘われると持ち主は

飲み会を楽しむ企画を

真剣に考え始めます。

あみだくじを作って席順を決め

男子メンバーには一発芸等を強制し

飲み会を進行させていきます。

けれども、よく考えてみると

持ち主は、このグループのみなさんとは、仕事上の関係があるわけでなく

ただただ、おじさんと仲良しなので参加しているのです。

こういう人のことを　仕切りや　と呼ぶのだと、ぼくは思います。

ただ、持ち主は一発芸を人に強制しながらも、たいてい自分でこなしていくので、

ただの　目立ちたがりや　なだけなのかもしれません。

はい。ぼくの持ち主は

疲れていたのかもしれません。

右手にオクラ、左手にうまい棒を持ち

オクラを野菜室にいれようとして

うまい棒を野菜室にいれていました。

けれども、驚いたのなんのって。

持ち主がおふろに入ろうとして

湯船に手を入れたら

たっぷりと入っていたのは、

お湯ではなくて水だったのですから・・・

ざぶんって入らなくてほんと、よかったですね。

こないだ、ぼくの持ち主はお友達と

ハンバーグを食べに行きました。

ご飯が終わってから

ぼくの話題になり

持ち主は、ぼくの顔だけ

かばんからだしました。

ぼくは、持ち主がお茶を飲んでいる間

ずっと、

かばんから顔を出していたのですが

帰りがけ、お友達の一人がいいました。

お店の中でＴＪを出しておくと、ハムスターかなんかにまちがわれちゃうよ。

生き物連れてきてると思われちゃう。

そうかぁ。じゃぁ、気をつけなきゃ。

ちょっと、待って下さい。

ぼく、生きてるつもりですけど。

ぼくの持ち主のあごに

超特大のふきでものが出現しました。

持ち主が、吹き出物を見ながら

ため息をついていると

お友達が

佐伯チズさま式美容法を

教えてくれました。

大人のニキビは、

ニキビの芯を押し出して

消毒してから軟膏を塗っておくんだそうです。

ビタミンC入りローションを塗っておくと、なお良いそうです。

さっそく家に帰って、持ち主はニキビの芯を押し出そうとしました。

ところが、なかなか芯が出てきません。

もう一度、指に力をいれてぎゅっと押します。

そのときです。ふきでものの中心部から、ぴゅっと血が・・・

恐るべし。佐伯チズさま式美容法。

ぼくの持ち主

きのうは、おなかが痛くて

トイレから出られず会社に遅刻。

おとといは

緊急事態で持ち主母に呼び戻され

会社にいたのに、

一度家に戻って遅刻。

今朝、持ち主は不安になりました。

もしかしたら、

きょうも時間通り会社にたどり着けないかもしれない・・・

いつもの時間に出ても、不安でした。

いつもの電車に乗ってもまだ不安。

けれども、心配せずとも持ち主は、きちんと時間通りに会社に到着したのでした。

がんばってもがんばっても、なかなか目的地にたどりつけないなんて

やっぱりドラマの中くらいなんですね。

持ち主が今朝、まゆげを描いていると

突然、お腹に激痛が走りました。

慌ててトイレに飛び込む持ち主。

痛みがひと段落した持ち主は

再び会社へ行く用意を始めました。

さぁ、会社に出発だ！

と、いうときに

ふたたび激痛が・・・

いま、トイレに行ったら、遅刻してしまう。

でも、いまトイレに行かなければ・・・

もちろん持ち主はトイレに行きました。

そして会社に遅刻したのです。

持ち主は、なんだかツイてないな。と、思いました。

そうだ！こういうときはなにか特別なことをしなくちゃ。

そういうわけで、ぼくは、ビニール袋の生活から解放され

下界の空気を久々に吸ったのでした。

ぼくの持ち主の

仲良しのおじさんが

アメリカに出張するけど

おみやげはなにがいい？

と、言ったので、

持ち主は答えました。

う〜ん。紫色のグミ？

数日して、

おじさんがおみやげをくれました。

なんと、いろいろなグミたちです。

ピザグミ、ポテトグミ、ホットドックグミ、ドーナツグミ。

けっこう、なまなましい色です。

おじさんと持ち主は、試しにピザグミを食べてみることにしました。

グミを食べ終えたふたりは、真剣な顔で言いました。

ふつうのグミだね。

ピザの味のグミだと、思っていたのでしょうか。

きょう、お友達がぼくに

フリーペーパーをくれたんです。

なんと、そのフリーペーパーの名前が

ＴＪ っていうんです。

中身は、ただのクーポン雑誌でしたが

ぼくと同じ名前なんて、

ちょっと複雑です。

タウンジャーナル、略してＴＪ。

ぼくは、てりうす・じゅりあん、略してＴＪ。

不思議な偶然ですが、世の中にはもっとたくさんのＴＪがいるんでしょうね。