ぼくの持ち主は、お洋服好きですが

どうやらその趣味は

一般的ではないようです。

今日緑色のスカートを

はいていた持ち主に

お友達が言ったのです。

「スカートの

すそを見ただけでわかったよ。」

スカートのすそだけで認識される

持ち主の趣味って、やっぱり変わっているのでしょうか？

メランコリックなぼくの持ち主は

日曜日の３時頃から

とても陰うつな感じになります。

また、月曜日から始まる

仕事仕事の日々を

想像しているのでしょう。

とくに５時半になり

笑点のテーマソングが流れると

そのネクラさは頂点に達するのです。

笑点を見て大笑いしながら、そしてため息をつくのですよね、今日もきっと。

ぼくの持ち主はその日

なんだか水まんじゅうが

食べたくなって、なにげなく

３個入りの水まんじゅうを

買ったのです。

けれども

持ち主はきままなひとり暮らし。

毎日

１つずつ水まんじゅうを食べないと

賞味期限内に

食べ尽くすことができません。

ところが、持ち主は昨日、うっかり水まんじゅうを食べ忘れてしまったのです。

と、いうことで、持ち主は今日中に

水まんじゅうを２つ食べなければならなくなりました。

こうしたことは、気ままなひとり暮らしにはよくあることです。

最近、ぼくの持ち主は

肩がこって仕方ないんだそうです。

多分

おんぶおばけが乗ってるね。

と、持ち主はいい

ぼくにこんな仮説を話しだしました。

先週、持ち主は

持ち主母とそのお友だちに会った。

持ち主の母のお友だちの肩は

鉄板のように硬くこっていた。

持ち主は、その肩を少しもみほぐしてあげたのだが

どうもそのあとから肩こりがひどくなったようだ。

ゆえに、持ち主母のお友だちの肩に乗っていたおんぶおばけが

自分の肩に乗り移ったのである。

って、そんなわけないでしょう。

ぼくを愛する持ち主は

会社のPCのデスクトップも

もちろんぼくの写真です。

でも、そんなぼくの写真を見て

そしてぼくを指さしながら

持ち主のお友達が言ったんです。

「これは、この子？

写真映りがいいね。」

と。

それは、どういう意味なのでしょうか・・・

ぼくの持ち主は

きょうお友達と映画を

見にいったんです。

パイレーツ・オブ・カリビアン

デッドマンズ・チェスト

楽しかったです。

あぁ、ジャック・スパロウ

かっこよかったです。

レディースディだから

１０００円でしたし。

ただ、

ただ、ぼくは不思議なんです。とっても不思議なんです。

どうしてぼくの持ち主は、

パート１を見ないでもパート２を見れるんでしょうか？

ぼくの持ち主は

ボディソープより

石けん派なんだそうです。

その理由は

ただ、石けんが

家にたくさんあるから。

そんな持ち主は

きょう新しい石けんを出しました。

この瞬間は一番楽しい時です。

どんなステキなにおいなのか

どんな魅惑的な色なのか、確認する瞬間なのです。

ところが、その石けんは、なんだかへんなにおいがしたのです。

そのにおいは、正露丸のにおい・・・？

持ち主は以前その石けんを、正露丸が入ったピルケースと一緒に入れていたことがあり

どうやらその時に正露丸のにおいがついてしまったようなのです。

正露丸石けんは、泡だてても、たしかに正露丸の香りがしたそうです。

なんともうっとおしい日々が

続きます。

ぼくの持ち主は

こう、天気が悪いと、

気持ちもくらくなるし

洗濯ものも乾かないし、いやだなぁ。

早く夏が来ないかなぁ。

と、言っています。

でも、夏が来たらば

暑い暑い、早く秋にならないかなぁ。

と、いうんですよね、必ず。

きのうぼくの持ち主は

パン屋さんで、大人なのに

パンダパンを買いました。

「これしかなかったから〜」

なんて、言い訳をしてますが

たぶん

このパンが欲しかったんですね。

こどものころ、形のあるパンを

「かわいそうで食べられない」

と言って泣いた持ち主だそうですが、きょうは、残酷にもパンダの耳をちぎって

「あ、パンダの耳もげた」と、言いながら食べていました。

人って、成長とともに変わってしまうものなのですね。

ぼくの持ち主は

とてもお洋服が好きです。

そんな持ち主が

ずっと欲しがっているのは

ゴールドのカーデガンなんです。

けれども、なかなか

望みのゴールドカーデガンに出会えず

ついにこの夏

持ち主は自分でカーデガンを

作ることを決心したのです。

ユニクロのTシャツをおもむろにとりあげた持ち主は、大胆にもはさみを入れ始めました。

その後、手芸屋さんで大量の金色のスパンコールを購入。

全面にスパンコールをつけようとしたのですが・・・

スパンコールって意外とつけるのが難しいのですね。

襟もとに縫いつけただけで断念した持ち主の手もとには、

大量の金のスパンコールが残されたのでした。