月別アーカイブ: 2017年5月

バランスボール


会社に変わったお兄さんがいるんです。
その人はなんと、椅子の代わりにバランスボールに座って仕事しているんです。

ぼくの持ち主もバランスボール体験がしたくて、ちょっと座らせてもらいました。
結構座りにくいです。

しかしお兄さんがバランスボールに座って、真面目に仕事するさまは、なかなかシュールです。
ほんと、変わった人だと思います。

え?ぬいぐるみと生活する人も変わってるって?
確かにそれは、そうかもしれません。

弟?


昨日、歩いてたら見つけたんだけど。

お友達がそう言いながら、かばんからおもむろにそれを出したんです。
クマです。しろくまです。

似てるでしょ?

ぼくと並べて言うんです。

ええええ〜似てますか?ぼくのがかわいくないですか?
でもね、お友達が言ったんです。

こんなのいたら、素通りできなくってさ。

やっぱり、ぼくのことが好きなんですね。これは!

あわてんぼう


朝、メールチェックをしていると、な、なんとgoogleアカウントにアタックの痕跡が。
焦った持ち主は、アカウントのパスワードを四苦八苦しながら変更しました。

なんとかパスワードを変更し、ふと時間を見ると会社に行く時間です。
あああ!と、叫びながら、小走りに家を出ます。
マンション入り口の階段を駆け下りた時、お財布がないのに気づいた持ち主。
こいつは大変だと、再び階段を駆け上がります。

小走りで部屋に戻ったはずが、部屋番号を見ると、な、なんと階を間違えているではありませんか!
再び小走りで部屋にたどり着き、お財布を確保しました。

ああ。あわてんぼうの持ち主。まさに、急がば回れ。の日だったのでした。

切り身


ぼくが持ち主の机の上でぼんやりしていると、すばやい誰かに連れ去られました。
誰かと思ったら、ぼくを狙うマタギの娘です!

マタギの娘は、笑いをこらえながら、ぼくの口になにかを懸命に詰め込みます。
そして詰め終わると、ぼくを持ち主に返したのでした。

持ち主が保護したぼくを確認すると、なんと鮭の切り身をくわえさせられていたのでした。
マタギの娘の渾身の作らしいです。

マタギの娘!ありがとうございます。

新たなる戦い


ええ。出たんですよ。とうとう。
なにがって?
あれですよ。あれ。カサカサ動く黒いあいつです。

まぁ、引っ越した時に覚悟していたんです。
古い部屋だし隙間は多い。飲食店がないのが救いなだけです。

数週間前、小さいあいつらしき虫が出たので、これはまずいと、毒餌とホイホイを仕掛けていたんです。
引っ越してすぐの時は、冬に向かっていたんで、まったくひっからなかったんです。あいつ。
ところが今朝、な、なんとホイホイにあいつが・・・

ひや〜っと、持ち主は叫びましたね。

仕方ないです。戦うしかないです。
持ち主、負けません。

ニタニタ


ぼくの持ち主は、自覚はないのですが、いつも楽しそうと言われます。
だから笑ってる顔なんだろうな。と、思っています。

けれどもその日、以前のボスだったおじ様におはようございまーす。と、挨拶したら言われたんです。

なんやいいことあったんか。ニタニタして。

ニタニタ!

ニコニコでもなく、ニヤニヤでもなく、ニタニタ!

なんかちょっと下品な笑い方だったんでしょうかね。持ち主。
ちなみに、いいことはありませんでした。特に。

ごちになる


その日は、会社近くのお寿司屋さんで、手巻きが百円の日でした。
持ち主たちは美味しいお寿司に、もくもくとかぶりついていました。

すると、隣にご高齢のご夫婦二人組が座ったのです。
いくつかつまみを頼み、奥さまは手巻きの写真を眺めました。

みんなこれ食べてるね。あらウニは四百円だって。

あ!この人たち、今日が手巻きの日だって知らないんだ!

そういえば、お店の前には別にそのイベントを知らせるものはありません。

その時、持ち主の隣に座っていたおじさまと目が合いました。
持ち主は、お節介にもついつい言ってしまいました。

今日は、手巻きが全部百円の日ですよ。

えええ!そうなの!教えてくれてありがとう!

それからおじさんは言いました。

なんか、ご馳走するよ!

それで、お友達と持ち主は本日のお椀をありがたくご馳走していただきました。

マタギの娘


いつもおとなしいお友達が、ぼくを見るなりいきなり、手をピストルの形にして、バンって言ってぼくを撃ったんです。

ううう。と、撃たれたふりをした後に、

なにするんですか!

と叫びました。

静かなタイプの彼女がそんなことするなんて、ぼくはびっくりしたんです。
するとお友達は言いました。

ふふふ。私にはマタギの血が入っている。かもよ!

そうでした。彼女は秋田の人でした。
でもね、マタギの掟で撃ってはいけないクマっているんですよ。

真っ黒なクマ
真っ白なクマ
巨大なクマ

これらは神様の化身と言われているらしいです。
ふふふ。ぼくは神様の化身。かもよ!

ジャムが食べたい


その日ぼくの持ち主は、電動工具を借りたくて実家に連絡したのです。
持ち主母が工具を送るついでに、なにか必要なものがあるかとたずねるので持ち主は言いました。

イチゴジャムが食べたい。

持ち主母は、自他共に認めるジャム作りの名人です。持ち主はイチゴとあんずとマーマレードが特に好きです。

あらっ。今年イチゴジャム作ってないわ〜。イチゴ買わなきゃ〜。

持ち主母は、なんとジャムを作って送ってくれたのです。なんて優しいんでしょう。

ところが。
朝、トーストの半分にハムをのせ、半分にジャムを塗ろうと、持ち主はいそいそ朝ごはんを用意していました。しかしトーストを焼きながら、ジャムの瓶を開けようとするのですが、固くてまったく開きません。

まぁ、蓋を温めておけばそのうち開くだろうと瓶の蓋を熱湯につけました。
焼けたパンにバターを塗って、紅茶を入れて、さぁ、今度こそジャムを!と思ったのですが、温めた瓶の蓋もびくともしません。

ああ。パンが冷めてしまう。と、とりあえず持ち主はハムをのせて半分トーストをかじります。

そしてもう一度チャレンジ。
まったく開きません。

そこで、瓶の開け方を調べていろいろ試しますが開きません。びくともしません。
ガムテープを使ったり、輪ゴムを使ったりしてもまったく開きません。

手のひらは真っ赤です。パンは冷え切っています。
もう、このジャムは食べられないんじゃないか?そう絶望したその時、瓶の蓋にかすかななにかが。

いける!持ち主は一気に力を入れます。

パカっという音と共にイチゴジャムの甘い香りが漂います。
あいた〜!!

持ち主は大喜びで冷めたパンにジャムを塗って食べました。
大変美味しかったです。

しかし持ち主母、一体どんな力で蓋を閉めたんでしょうか。

粉物が好き


見てください。このマドレーヌ!大きいでしょう。ええ。普通のサイズの倍近くあるんです。

その日、ぼくの持ち主がエキナカをふらついていると、この巨大マドレーヌが目に入ったんです。
持ち主はマドレーヌをじーっと見ていました。
ただ、持ち主はすでに大好きなスコーンを他の店で購入していたため、これも買っちゃうと贅沢すぎるんじゃないかと迷ったんです。
それで店を一度離れたんです。

けれども持ち主は、後ろ髪を引かれまくったのです。

大きいな。もしや大味?しかし焼き菓子の大味ってどんなだ?知りたい!知りたいぞ!
もし、ここでこれを買わないと気になって気になってなにも手につかなくなるかもしれない。
よし買おう!

店に戻るとお姉さんが優しく、おひとつからでもお求めになれますよ。と、微笑んでくれたので、そのまま一つ買いました。
味は大味ということもなく、美味しいマドレーヌでした。