翌朝、チェックアウトを終えて
空港へ向かう持ち主とエリーは
おなかがすいていました。
空港でリンゴをかじりつつ
なにか食べられるお店を
探しますがありません。
むかしは栄えていた
ターミナル2は、すっかり
さびれてしまったようです。
お店はほとんど
なくなっていました。
なんだか、とってもさびしいです。
ディナーを終えて
ホテルに戻ったとき
エリーと持ち主は
翌朝のチェック・アウトが早いので
問題ないかを、レセプションに
確認することにしました。
エリーが
レセプションに聞きに行くと
そこには、ガタイのよい
インド系のベルボーイの
おじさんが3人いました。
おじさんのひとりに、エリーが翌日のチェック・アウトの話をすると
3人のおじさんたちは、声を合わせて言ったのです。
No Problem!
おじさんたちは、
大丈夫だよ。問題ないよ。タクシーも予約しておくよ。心配しないで。
と、エリーと持ち主に、大変親切にしてくれました。
平均身長に満たない持ち主と、それよりもっと小柄なエリー。
たぶんふたりは、すごく幼い子だと思われたのだと思います。
シングリッシュを駆使して
一生懸命ジェスリム姉さんと
話していたぼくの持ち主は
はたと、気づきました。
そういえば
エリーはどうしているのだろう?
持ち主がジェスリム姉さんと
話していると言うことは
エリーは、シンディと
シンディの姪のニコちゃん
それから弟さんの
3人と話をしなくてはならないということです。
かなり大変です。
エリーはオーストラリアにいたことがあるので
それほど英語に不自由しないのですが
シンガポーリアンの英語はクセがあって
いつも、聞き取るのに苦労しているようです。
エリーのことが急に気になった持ち主は隣を見ました。
それはちょうど、エリーが身を乗り出しながら
Pardon?
と、聞いているところだったのです。
それを見た持ち主は、なんだかほっとしました。
さすがはエリー。バイタリティーあふれる人です。
帰り道、シャイなニコちゃんが、エリーに笑顔で手を振るのを見て、持ち主は
さすがはエリー。やるね。
と、またまた感心するのでした。
シンガポーリアンの
シンディ姉さんとの付き合いは
かれこれ10年くらいですが
ジェスリム姉さんとは
もうすぐ20年くらいになります。
そんなふたりに加え
シンディの姪のニコちゃんと
シンディの弟さんの6人で
最後の夜は
ディナーとなりました。
場所はホーランドビレッジの
イタリアンです。
ジェスリム姉さんと知り合った頃、持ち主はまだシャイな10代の女の子でした。
英語で話すことが、ちょっと恥ずかしかったこともあり
その頃は無口だった持ち主。
でも、今ではすっかり大人になり、英語で話すことに照れはありません。
通じたらいいや、と思っています。会話も交渉もします。
そんな持ち主の英語の基盤を作ったのは、
やはりシンガポールでの経験であり、そしてシングリッシュです。
だけど、あまり話せなかった持ち主を知るジェスリム姉さんは
よくしゃべる持ち主に大変驚いたようです。
英語、上手になったね。
という、ジェスリム姉さんに、持ち主は堂々と答えました。
シングリッシュがね。
おなかがいっぱいになった
ふたりの次の予定は
プールに行くことです。
ただ、なんだか空は薄暗く
肌寒い気もします。
でも
せっかく水着を持ってきたので
ふたりはプールサイドへと
出かけました。
まだ入らないというエリーをおいて
ぼくの持ち主は、水に足をつけてみました。
冷たいです。
でも、この後、ディナーに出かけるためにも
少し腹ごなしをしといた方がよいでしょう。
持ち主は、寒さに耐えながら泳ぎ初めました。
泳いでいるとだんだんあたたかくなりますが、水から出ると寒いです。
足だけと言いながら、水につかったエリーも、冷たいと叫びます。
でも、せっかく来たんだからと
ふたりは、ぶるぶるとふるえながら、南国のプールを楽しみました。
ハイティーで有名なのは
ラッフルズ・ホテル
(Raffles Hotel)の
ティフィン・ルーム
(Tiffin Room)ですが
持ち主母のオススメでは
ありません。
持ち主母は
グッドウッド・パークの
ハイティーに行きなさい。
と、半ば命令系で、持ち主に
アドバイスしてくれましたが
その判断は正しいものでした。
なぜって、ひとつひとつが
大変おいしいんです。
1皿目と2皿目には
サンドイッチ類と
オードブル類を中心に。
3皿目はスコーンとケーキを
中心に。
そして4皿目は
フルーツを中心に
食べてしまいました。
紅茶はポット2杯分。
お茶が来るのが
遅かったのだけが不満でしたが
あとは大満足です。
☆TJメモ☆
L’Espresso
add : : 22 Scotts Rd.,
1F Goodwood Park Hotel
tel : 6730-1743
(月〜木)
2pm – 5.30pm
(金〜日)
12noon – 2.30pm (1st seating)
3pm – 5.30pm (2nd seating)
大人 48$++
(2010年12月現在)
この日の朝、出かけるまえに
ふたりは
ハイティーの予約をしました。
持ち主たちの泊まっているホテル
グッドウッド・パーク
(Goodwood Park)の
レスプレッソ(L’Espresso)は
ハイティー・ビュッフェでも
有名なのです。
レスプレッソにスタッフが
いなかったので
レセプションに予約を
頼みに行きます。
レセプションにいたマレー系のお兄さんに声をかけ
ハイティーの予約をしたいと言うと
お兄さんは、小首をかしげて言いました。
大丈夫よ!ちょっと待ってて。
いいえ。実際は英語だったんです。でも、そんな風に聞こえたんです。
その後お兄さんは、お尻をふりふり
お気に入りらしいレスプレッソのスタッフのお兄さんに
腰の辺りで手を振って近づいて行きました。
そして、持ち主たちのところに戻って来ると、笑顔でいいました。
大丈夫よ。14時に来てね。
いいえ。実際は英語だったんです。でも、そんな風に聞こえたんです。
さすがは一流ホテル。従業員に対しても寛大なのに違いありません。
地下鉄MRTに乗り込んだ
ぼくの持ち主は
エリーに聞きました。
サマセット(Somerset)
で降りていいかね?
サマセットの駅は
ホテルの最寄り駅
オーチャード(Orchard)
より、ひとつ手前の駅で
なにがあるのかというと
持ち主父母が住んでいた
マンションがある場所なのです。
持ち主は
懐かしいその場所を
少し見てみたいと
思っていたのです。
しかし
15年という月日は
とても長いものであったことを
持ち主はその後に
痛感するのでした。
その昔
サマセットの駅の周りは
公園のようになっていたのですが
降りてみてびっくり、ショッピングセンターになっていました。
駅から出ただけで、持ち主は
もう、すでに方向が
分からなくなってきました。
見知らぬ場所のように
なってしまったその場所から
持ち主は見覚えのあるものを
一生懸命に探します。
すると、道の向こうに
懐かしの
(Peranakan Place)が見えたのです。
持ち主は、うれしくなってきました。
このプラナカン・プレイスの
かわいらしい町並みを越えると
持ち主父母の住んでいた
マンションが見えて来るはずです。
暑い中、観光地から離れ
ふたりは歩きます。
そして
あそこに見えるはず。
と、指差した持ち主の
指の先の向こうに
しかし、懐かしの建物はなかったのでした。
そうなんです。マンションは取り壊されて、更地になっていたのです。
ラッフルズ・ホテル
(Raffles Hotel)から
一番近い地下鉄MRTの駅は
シティホール
(City Hall)の駅です。
ただ、いつものことなのですが
入り口を見つけられません。
ふたりは、熱い日差しのなか
MRTの看板の前で
しばし立ち尽くしました。
看板はあるのに、まったく入り口らしきものが見当たらないのです。
地図を見ると、近くのショッピングセンター、ラッフルズ・シティ
(Raffles City)にも、MRTの入り口が示してあります。
少し涼むためにも、ふたりは、ラッフルズ・シティに入りました。
人波に流されながら、ぶらぶら歩いていると、ようやく見つけました。
MRTの駅です。
後から知ったのですが
シティ・ホテルの駅は、スイソテル・ザ・スタンフォード
(Swissotel The Stamford)とラッフルズ・シティと
コンプレックスを成す、複雑な作りになっているようなのです。
でも、地下鉄の看板を出すのなら、入り口も近くに作って欲しいです。
☆TJメモ☆
この写真は、ラッフルズ・ホテルのトイレです。
おしゃれなので、ついつい撮影してしまいました。
シンガポールを代表するホテル
それはやっぱり
(Raffles Hotel)でしょう。
象の像から歩くこと10分ほど
ふたりはあの
ラッフルズ・ホテルの
前にいました。
ふたりは、観光客として
しっかり記念撮影をしてから
いろいろなお店が入る
ラッフルズ・ホテル・アーケード(Raffles Hotel Arcade)に向かいます。
ふたりが地図を見て現在地を確認していると
ホテルの制服に身を包んだ大変姿勢のよいお兄さんが、声をかけてくれました。
アーケードに行きたいというと、お兄さんはにこやかに案内してくれます。
さすがは、一流ホテルです。
一流ホテルはなにが違うって、やはりサービスが一流なのです。