ぼくの持ち主が
歩いてくる姿を見て
となりの部のおじさまが言いました。
ロックだね〜。
肩で風邪をきってるね〜。
かっこいいね〜。
ロック!
いまの持ち主は
髪型も服装も普通を心がけているので
それは見た目の話ではないでしょう。
やはり、持ち主の内面を評価されたのでしょうか?
ロック!
なんだかかっこいい感じがして、うれしいです。
ぼくの持ち主が
熱心になにかしています。
なにをしているのでしょうか?
真剣にもくもくと
持ち主は種を取っています。
ベランダで
あらあらしく育ったチャイブが
今年も種をつけたのです。
その上、種も植えなかったのに
勝手に生えてきたシソも
種をつけました。
そこで、その種を取って
また植えてやろうと考えているのです。
持ち主は、植えたら植えっぱなしですが
植物たちは、意外と元気に育ってくれます。
ありがたいことです。
勝手に生えて、勝手に種をつける。そして、また生えてきて、種をつける。
これが持ち主の理想の植物のあり方ではありますが
少しだけ協力して、種をとっているのです。
来年もまた、もりもり元気なシソやチャイブが
生えてきてくれると大変うれしいです。
ぼくの持ち主が
Mac Book Airを購入して
約2週間が経ちました。
楽しくて、毎日、いじくってます。
最近、お気に入りなのは
まっくんの話す機能です。
ターミナルに say と英語を入れて
ENTERを押すと
入力した英語を話します。
そのことを知ってから
まっくんを
毎日しゃべらせています。
tj desuとか、kuma sukiとか、言わせてます。
ちなみに、この機能、まっくん2にもありました。
まっくん3の声は、男子ですが、まっくん2の声は女子です。
2人の声を合わせたいのですが、まっくん2の処理速度が遅すぎて難しいです。
輪唱みたいになっちゃいます。
でも、毎日、大変楽しいです。
土曜日、ぼくの持ち主は
高校時代に親しかった友人たちとの
内輪の同窓会に行って来ました。
会場は、タイ料理屋の
ちょっと怪しげな小部屋です。
お料理もおいしいし
小部屋なので
遠慮なく盛り上がれるし
とても居心地がいいな。
と思っていた時のことです。
急に目が痛くなってきました。
強い香辛料のにおいがします。
どうやら、唐辛子や香辛料を炒めているようです。
そしてその煙が、この小部屋に入ってくるのです。
これはたまりません。
涙を流して、咳き込みながら、みんな、大急ぎで部屋を出ました。
店を出て、ふと考えました。
部屋を出たのは、お店に入ってから約2時間後。
もしかして、あれは、出て行け!のサインだったのでしょうか?
そうだとすると、ちょっと悲しいです。
ぼくの持ち主は
よく転びます。
なにもないところでも
つまずきます。
運動神経が
すごく悪いわけではないのですが
あまりよくないと思います。
その日はお出かけだったので
ハイヒールを履いていた持ち主は
少し急いでいました。
事件は
階段を降りるときに起こりました。
ヒール部分がパンツのすそに
ひっかかるのを、持ち主は確かに見ました。
転ぶな。
その瞬間、持ち主はわかりました。
しかし、この時点ではもう、なにもできません。
スローモーションのように、バランスが崩れていきます。
どうやって倒れたのかわからないまま、持ち主は階段から転がり落ちました。
心配してくれた人が、大丈夫ですか?と、かけよってきます。
人々が、目を丸くして持ち主を見ています。
たぶん、かなり派手に転がったのでしょう。
ありがとうございます。
持ち主は笑いながら言いました。
よくあることです。慣れています。だから、あまり恥ずかしいとは思いません。
でも、打ち身は痛いです。
それは、ぼくの持ち主が
電車に乗っていたときのことです。
持ち主の前方には、初老の夫婦と
その息子夫婦
と思われるカップルが
座っていました。
彼らの足もとには
布製わんちゃんケースがあり
その中には、賢そうなわんちゃんが
ちょこんと座っています。
お義母さんと思われる女性は
若夫婦と話していますが
お義父さんと思われる男性は
わんちゃんのことが
気になって仕方ないようで
ずっとわんちゃんケースをいじっています。
わんちゃんもお義父さんのことが大好きなようで
お義父さんがケースをいじると、うれしそうに反応します。
お義父さんは、いとおしそうにわんちゃんを見つめ
わんちゃんも幸せそうにお義父さんを見つめています。
お義父さんは、わんちゃんがかわいくて仕方ないようで
とうとう布ケースのチャックをちょっとあけて
そこに手をいれ、わんちゃんを撫ではじめました。
わんちゃんも大喜びです。
このままだと、お義父さんはわんちゃんをケースからだして
抱きしめるんじゃないかと持ち主が思った瞬間
4人は到着駅に着いたようで、電車を降りていきました。
相思相愛なお義父さんとわんちゃんを見て
持ち主は幸せな気持ちになりました。
でも、おせっかいではありますが、お義父さんが人間とも
楽しくコミュニケーションをとれたらもっとよいな。と、思ったのでした。