けさ、持ち主は起き上がるやいなや

にやにやし始めました。

そして、綿毛布にくるまったまま

ぼくに言いました。

土曜の朝って、いいね〜

それは、こんな理由だそうです。

朝、目覚ましがなります。

起きなくちゃ。起きなくちゃ。

もっと寝たい。でも、起きなくちゃ。

会社に行かなくっちゃ。起きなくちゃ・・・

あ！

起きなくっていいんだ、今日は、土曜日だった！

もちろん、休みだと思い込んでいたのに平日であった場合、最悪の朝となるそうです。

９月も終わりですね。

きょう

ぼくの持ち主は

とても疲れていたようです。

よく、疲れているときに

おかしなことをする持ち主ですが

きょうもやってしまいました。

持ち主は

会社帰りにスーパーで買い物をして

ようやく家のドアの前にたどりつき、無意識にかばんに手をいれました。

そして、そこから持ち主が取り出したものは、なぜか定期入れだったのでした。

持ち主は、定期入れを手にドアの前で、しばらくの間クスクスと笑っていたのでした。

ぼくの持ち主

それほど健康志向ではないのですが

いくつかの方法は実践しています。

身体を冷やさないように

お湯を飲むとか

ビタミンCの錠剤を毎日飲むとか

そんなものです。

それで

五本指くつしたも愛用しているんだと

ぼくは思っていました。

でも、ぼくは見てしまったのです。

持ち主がくつしたに足をいれたまま、

それぞれの指をちゃんと入れないで歩き回っているところを。

それでは、まったく効能がないと思います。

きょう

ぼくの持ち主が仕事をしていると

前方から話声が聞こえてきました。

最近、マックが流行ってるんですよ。

マックが流行ってる？

それは、

今まではモスが流行ってたけど

マックが人気復活とかって

そういうこと？

やっぱり、あの細長ポテトがおいしいとか、

シェイクはやっぱりマックだよねとか、そういうこと？

けれども、そのあと聞こえてきたのは、

ウィンドウズはさぁ・・・

あ、マックって、マクドナルドじゃなくて、マッキントッシュのほうだったのですね。

やっぱり、スパイシーモスバーガーが好きだな

とか、言わなくてよかったですね。

見てください。見えますか？

ぼくのかわいいおしりに

へんな柄が・・・

朝、目がさめたら、

ぼくのおしり

なんだか落書きされていたんです。

よく見ると

ボールペンで

にょろにょろ書いてあります。

ぼくがショックを受けていると

持ち主が言いました。

ごめんごめん。

きのう、ボールペンの芯をだしたまま、一緒にかばんにいれちゃったみたい。

あはは。

あははって、持ち主さん、

あなた、ぼくのこと大切なんじゃなかったでしたっけ？

ぼくが

ぼくの持ち主の味覚に関して

不思議だと思うことは

食事がワンパターンでも

まったく平気だということです。

去年は一か月間

毎晩トマトスープを

飲み続けていました。

一昨年は一か月間

毎日照焼きチキン弁当でした。

でも、一番ワンパターンなのは朝食で、

この１０年間、きゅうりといんちき生ハムをのせたパンを、ほぼ毎日食べています。

飽きないのでしょうか。ぼくはとても不思議です。

きのう、ぼくと持ち主の仲良しが

会社を去りました。

もう、毎日会えないのですね。

ぼくはとてもさびしいです。

それできのうは

ぼくの（持ち主の）家で

彼女のお別れ会をしたのです。

真夜中までしゃべり続け

友人２人は

持ち主家に泊まることとなりました。

ところが、ここで問題発生。

持ち主家にはダブルベッドがひとつあるだけなのです。

女子３人は、そこに寝ることになったわけですが、

ひとりに与えられたスペースはわずかに４６．６センチ。

せまいのなんのって。

両はじはなるべくはじに、真ん中は片方によらないように、それぞれが努力して寝たようです。

布団買いましょう、布団。

ぼくの持ち主が

お仕事している会社には

変わった人がたくさんいます。

最近、仲の良いお兄さんも

かなり変わった人です。

持ち主に言わせると

あまり

社会化されていないんだそうです。

なんていったって

猫がケガしたのできょうは休みます。

なんてことがあったんですよ。

けれどもお兄さんは、難しいシステムなんかを、

ちょちょいとつくってしまう相当天才的な人なのです。

そんなはちゃめちゃお兄さんと持ち主の共通点が、本日発覚しました。

なんと同じ大学の出身だったのです。

ふたりはローカルな話題で大盛り上がりでしたが、ぼくはふと思ったのです。

はちゃめちゃなお兄さんとへんてこなぼくの持ち主。

そんな二人が卒業した大学って、

とっても変わった大学だと思われちゃうんじゃないでしょうか。

ぼくの（持ち主の）家のそばに

お金をいれればなんでも出てくる

冷蔵庫があるんです。

別名、セブンイレブン。

けれどもここのセブンイレブン

女の子が欲しいデザートとか

新発売のおかしとか

まったく売ってないんです。

中心は

お弁当と大盛りカップラーメン。

コンビニなのに、ビールとサワー類が冷蔵庫の一面を占めているのです。

たぶん、近所にある自衛隊と、警察学校のごついお兄さん御用達コンビニだから

こんなありさまなんでしょう。

でも、せめてぼくの好きなモンブランプリンぐらい、置いてほしいものです。

家の外が

なんだかわさわさしていました。

そのうちに、どんどこどんどこと

太鼓の音が聞こえてきました。

どうやら、お祭りみたいです。

ぼくと持ち主は

ベランダから身を乗り出し

道路をのぞきこんでみました。

すると、巨大な御太鼓様が

山車にのっているではありませんか。

ど〜ん、ど〜んと、太鼓の音がこだまします。

幼いころ、祭りばやしが聞こえると、なんともいえないワクワク感に抵抗できず、

すぐに家を飛び出していったものです。

そんなことを思い出しながら、持ち主はまた、布団の上に寝っ転がったのでした。