月別アーカイブ: 2017年4月

楽になりたい


個展の準備と、丹沢アートフェステヴァルへの参加準備で毎日大忙しのぼくの持ち主。
元来ナマケモノだというのに、毎日毎日やることが山積みです。

ある日、会社でふーっとため息をつきながら持ち主は言いました。

あー楽になりたい。

それを聞いたお友達、表情を変えずに言いました。

それってさ。結構やばいセリフだよね。

上を向き、熟考する持ち主。

確かに。

でもやっぱり気分は、楽になりたい。らしいです。

たましんへ行く


お昼を買いにエレベーターへと向かうと、お友達二人が駆け込んできました。

どこか行くの?

持ち主が聞くとお友達がいいました。

たましんへ行く

たましん?

持ち主がびっくりして聞き直すと、お友達はきょとんとした顔をして言いました。

手巻き(を食べ)に行くって言ったんだよ。たましんってなに?

たましんとは、多摩在住の人には身近な信用金庫です。

多摩信用金庫だよ。

持ち主が大興奮で言うと、お友達ふたりはあまり関心のない表情で、へ〜と言いました。
ところが、隣にいたおとなしげなおじさまが、ぶっと吹き出したんです。

ぼくは見ましたよ。あなた、多摩関係者でしょ。

常連になる


会社近くのお寿司屋さんで手巻き寿司百円の日に、持ち主とお友達はお店に並びます。
なんたって美味しいし、通常値段ではなかなか食べられないからです。

しかしその日、事件は起きたのです。
カウンターに通された持ち主たちに強面の板さんが言ったのです。

毎月来てるでしょ。先月はあの辺に座ってたでしょ。もう、注文するものも決まってるよね。

まずい、バレてる!

持ち主は比較的地味な顔立ちなので、得意技は人に顔を覚えられないことです。
お友達は、ちょっと個性的な服を着ますが、これまた派手な顔立ちではないので、ふたりが面バレすることはないと信じていたのです。

しかし、バレてる!

酒も飲まず、たんたんと寿司を数本食べるだけの持ち主たち。寿司屋としたら、あまりありがたい客ではないでしょう。
でも、持ち主たちのいいところは、さっと食べてさっと出る。滞在時間30分なところです。
そして話している内容は、やっぱりネギトロ最高!とか、至高のトロタク!とか、ああ!美味しい!とか、そんな寿司賛辞ばかりで無駄口はたたきません。

帰りがけ板さんに、ちょっとしか食べなくてすみません。と、持ち主が挨拶すると、板さんはにやりと笑い、

また来月もおいで!

と、言ってくれたんです。

ええ。ええ。行きますとも!

走る持ち主


ここ最近、持ち主ったらちょっとやさグレてたんです。
個展も近いし、その前に他の展示にも参加させてもらうことになっているので、作品を同時進行で製作してるんです。
仕事も直ボスが異動して変わり、今まで直ボス管轄だった仕事に関わらなければいけないことも増え、かなり切羽詰まってたんです。

今も状況はかわりませんが、そろそろ腹をくくらねばならないと持ち主は思ったんです。
でも忙しすぎてもう、肩こり、首こり、腕こりがはんぱなかったんです。寝ても起きても体が重くてだるいんです。

そこで持ち主は、久しぶりに走ることにしました。
かなり久しぶりなので、たぶん200メートルくらいしか走れないんじゃないかと、タラタラ持ち主は走り始めました。
いつもの通勤路なんですが、走ってみると、意外と起伏がある道なんです。
こりゃ、きついかもな。と思いつつ、足もそんなに痛くならないし、息もそんなにあがりません。

気づいたら、2キロくらい走ってました。びっくりしました。
毎日、ゆるい起伏を歩いてるうちに体力がついたのでしょうか?
一週間くらい走ったら、コリも楽になりそうです。

ぼくはプリンス


みてください!ぼくの宣伝をしている看板を見つけました!
TJ PRINCE
ぼくのことです。ぼく、王子です!

嘘です。
これは会社の近くのT・JOY PRINCE シネマで撮ったんです。
お友達の手を借りて、あーでもないこーでもないと、がんばって撮ったんです。

多分、周りの人はドン引きだったと思います。

餌をやり忘れる


ぼくの持ち主はその日、お昼寝をしていました。
その時見たのは、ふくろうの夢でした。

持ち主は小さなふくろうを飼っていました。
ふくろうは、持ち主が肩をたたくと、肩に飛び乗るくらいに持ち主になついていました。
その日、持ち主が肩をたたくと、ふくろうは飛び上がりましたが、次の瞬間床に転がりました。
ふくろうは、餌をもらっていなかったので、力がでなかったのです。

びっくりした持ち主は、ふくろうの餌を探すと、餌にはびっしりカビが生えていたのでした。
ああ!自分はどれだけ餌やりを忘れていたんだ!と、持ち主は衝撃を受けたところで目を覚ましました。

その数時間後、持ち主は再びうたた寝をしていました。
その時見た夢は、黄色い鳥の夢でした。

持ち主は黄色い鳥を飼っていました。
黄色い鳥は、机の上に乗って潤んだ瞳で持ち主の方をみています。
持ち主が鳥に声をかけると、次の瞬間鳥がパタリと倒れたのです。
鳥は、餌をもらっていたなかったので、力がでなかったのです。

びっくりした持ち主は、あわてて鳥が食べられそうなものを探しました。
ああ!自分はどれだけ餌やりを忘れていたんだ!と、再び衝撃を受けたところで目が覚めました。

これ、なにかのお告げとかでしょうか。

筆、曲がる


個展に向けて作品制作中の持ち主。
一仕事終えて筆を洗っていました。その時です。

ぐりゃり。

なんと、洗っていた筆がいきなり曲がったんです。
持ち主はびっくりして筆を見つめます。

この筆の柄の部分は竹です。その柄の真ん中部分がいくつかに裂けています。
その裂け目に水分がたくさん入って、ぐりゃりとなったようです。

かなり古いし、捨てるしかないのかもしれないと思いましたが、とりあえず乾かしてみることにしました。

翌日、筆は乾いていました。柄の部分も乾いて固くなっています。握ったら、まだ使えそうです。
竹は丈夫です。