毎日のように
同じ時間の電車に乗っていると
顔見知りまではいかずとも
よく一緒になる方というのが
できるようになります。
でもそんな方と
予想外な場所で会うと
びっくりするものです。
その方とは、持ち主が乗る電車と
乗り換える電車でお会いしていたので
同じ方向に通っていることは認識していました。
しかし、衝撃的だったのは、持ち主が会社付近を歩いている時のことでした。
なんと、持ち主をさっと抜かしたその方は、電車で見かけるあの方だったのです。
その後、持ち主は右に、その方は左に曲がって行きました。
あの方、近所に住んでて、近所で働いてるんだな。
と、思いながら、予想外な場所で出会い、大変驚く持ち主なのでした。

会社で、ぼくの持ち主の
隣の席に座るお兄さんは
ただいまダイエット中です。
食事制限に加え
ジョギングもしているらしいです。
これから、ジムで筋トレも
する予定らしいです。
そんなに鍛えたら、細マッチョですね。
と、持ち主が言うと、お兄さんは言いました。
細マッチョは嫌だな。
じゃぁ、ポチャマッチョですか？
持ち主がなんとなく言うと
お兄さんは、目を輝かせました。
そう。ポチャマッチョになろう。
お兄さんによると、ポチャマッチョとは、筋肉はあるけれど
ぽちゃぽちゃしていて、だき心地がいい状態を指すらしいです。
でも、ぽちゃっとした状態と筋肉質な状態って、共存するのでしょうう？
ぼくには、はなはだ疑問です。

こないだ、ぼくとぼくの持ち主は
久しぶりに、お友達の
エミリア様に会いました。
エミリア様とは
持ち主がむかし勤めていた
会社時代のお友達の愛称です。
持ち主の個展のときに
エミリア様は、もう一人の友人
キャロルちゃんと一緒に
エミリアとキャロル名義で
お花を送ってくれるような優しい人です。
おとなしい顔をして、お茶目さんです。
エミリア様とは、食べまくり、しゃべりまくり
その後は古着屋で洋服をあさり、楽しい時間を過ごしました。
久しぶりに会っても、変わらずに楽しんで過ごせる友人は最高です。

めっきり肌が
弱くなってきたぼくのために
ぼくの持ち主は
ぼくを袋に入れてくれています。
いまの袋は、持ち主姉が
高級リップクリームを
くれたときに
リップが入っていた袋です。
くったりしたところが
気に入っています。
しかし、持ち主は見つけたのです。
新たなぼく入れを。
それは、アザラシ柄の小さなバックでした。
これを見た瞬間、持ち主は、欲しい！と思いました。
しかし、つぎの瞬間に気づきました。
アザラシバックが、小さすぎるのです。
かろうじてぼくは入りますが、飛び出ます。
これでは、あまり袋の意味がありません。
持ち主は、悩んだ末に断念しました。
でも、やっぱり今でも思いだします。
アザラシの袋、買えばよかったなぁ。と。

それは、ぼくの持ち主が利用する
ある私鉄の駅でのことでした。
通勤時間帯の朝、そこには
リュック姿のおばさまたちが
５、６人、立っていました。
この駅では
あまり登山者を見ないのですが
おばさまたちは
ハイキングか、山登りにでも
行きそうな出で立ちです。
しかし、持ち主が興味深かったのは
みなさんのリュックから飛び出している
細長い棒のようなものです。
ちょうど、布のケースに入った縦笛か定規が、ランドセルにささっている感じです。
この物体、一体なんなのでしょう？
気になります。気になります。

昨日は激しい台風でしたが
みなさん無事でしたか？
ぼくとぼくの持ち主は
会社におりましたが
早めに帰りなさい令が出たので
17時頃には
会社を出ることができました。
おかげで
風は強くなりはじめていましたが
まだまだ傘をさして
歩くことができるくらいでした。
しかし、台風に巻き込まれることの
なかった持ち主だったのですが
翌朝、外ですごいものを見つけたのです。
なんと、電線に傘がひっかかっていたのです。
きっと強風で飛ばされたのでしょうが、なんとも不思議な光景です。

その日、ぼくの持ち主は
ちょっと疲れていたのです。
それで、ぽつりと言いました。
ああニートになりたい。
なんというか
ちょっとした願望だったのです。
本気で思っていたわけじゃ
ありません。
すると、お友達が言ったんです。
ニートって、年齢制限があるんだよ。
年齢制限！なんということでしょうか。
早速、Wikipediaで調べてみました。
15〜34歳の年齢層の非労働力人口の中から
学生と専業主婦を除き、求職活動に至っていない者。
ニート。
ああ。持ち主は、ニートになるには年を取りすぎていました。

ここ数年
抜け毛が多いぼくの持ち主。
ストレスが増えると
抜け毛が増えるような気がします。
しかし、抜けるとその後
健気にまた生えてきてくれるので
ありがたいことです。
しかし、梅雨のこの時期
短い毛、いわゆるアホ毛が
頭頂部に立ってしまい困ります。
アホ毛が多いと、なんだか貧乏臭く見えるんです。
鏡を見る度、総立ちのアホ毛を確認し
今日もアホ毛総進撃か。と、持ち主は憂鬱になるのです。

ぼくの持ち主が、電車を降りて
たくさんの人にもまれながら
歩いていると、前方に
左手を小刻みに動かしながら
歩く若い男性が見えました。
手の動かし方は、腕をぴんっと伸ばし
手を広げ、手首を動かす感じです。
ちょっとペンギンみたいですが
片手のみの動きなので
ペンギンではないと思われます。
また、ペンギンの場合、わきをぎゅっとしめますが、男性はわきがあまいです。
そして男性は、頭を少々傾けてふり始めました。
それで、気がつきました。
もしかして、この人の動きはＤＪじゃないでしょうか？
真相は本人にしかわからないかもしれませんが、たぶんＤＪだと思います。

それは、ぼくの持ち主が
いつものように
お姉さんたちと一緒に
お昼を食べている時のことでした。
持ち主は
前に座るお姉さんを
何気なく見ていて
そして気がつきました。
お姉さん、イケメンなんです。
いつもは、前髪にピンをつけたりしているのですが
その日の髪は無造作だったのです。
俯くその表情は美少年です。
お姉さんが、きれいな顔立ちをしていることは、以前から認識していました。
しかし、これほどイケメンだったとは。
灯台下暗し。まったく気がつきませんでした。
そこで持ち主はお姉さんを、このあたりで一番のイケメンに勝手に制定したのです。