月別アーカイブ: 2013年9月

よっぱらい

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その日は
会社の歓送迎会でした。
楽しく飲んで話して
みんなで大騒ぎをしていると
ぽつりと立っている
営業さんが目につきました。
いつも冷たい雰囲気が
ある人ですが
声をかけると
にたりと笑いやってきました。
それから、完全によっぱらっている彼の言動により
辺りは抱腹絶倒に包まれました。
人は普段、いろんなことを隠して生きているのでしょう。
彼はきっと、そのいろいろなことから解き放たれてしまったのでしょう。
若い頃は、いやだと思ったよっぱらい。
でも、よっぱらったその人を見て
なんとなく親しみを感じるようになったのは
持ち主が大人になった証拠かもしれません。

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その日
書店で雑誌を購入した
ぼくの持ち主は
雑誌を受け取り
隣のレジの人を何気なく見ました。
そして、驚愕したのです。
持ち主が会計をしている時
横から
いらっしゃいませ〜。
〇〇円でございます。
ありがとうございました〜。
という、ちょと可愛い声が聞こえていたのです。
当然、女性だと思っていたのです。女性の声だったのです。
しかし、そこにいたのは、背の高い男性でした。
女性的な身なりをしていたわけでもなく、普通に男性的です。
声だけが可愛いのです。
ごめんなさい。お兄さん。その可愛らしい声とのギャップに驚いて
うっかりジロジロ見てしまいました。

メランコリア

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秋です。
ああ。秋です。
秋と言えば
食欲、読書、芸術
とくるかもしれませんが
ぼくの持ち主にとっては
メランコリックになる秋です。
秋生まれの持ち主は
この季節
なんだか憂鬱になるらしいです。
今日もひとりで
なんだか物思いにふけっています。
やはり、秋生まれは黒胆汁が過剰だからいけないんでしょうか?

分身

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ぼくにとてもなついていた
持ち主の隣の席のお兄さん。
なんと、この度昇進し
多部署への異動が
決まってしまいました。
仲良しだったので
とても寂しいです。
そんなお兄さんが
ぼくの購入場所を
持ち主に尋ねています。
息子に買ってあげようかな。
なんて、言ってますけど、ぼくにはわかります。
たぶん、ぼくと離れるのが寂しすぎて
ぼくの分身を買いたくなったんだと思います。

解体

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すっかり秋らしくは
なってきたけれど
まだなんとなく
暑いときもある日々。
持ち主はふと
扇風機にホコリがついているのを
見つけました。
手で取ろうとしたら
結構な量だったので
一番上の網の部分を
とって洗いました。
網をとると、今度は羽が気になったので、羽も洗いました。
羽がきれいになると、その奥の網部分も気になります。
結局、すべて解体して洗いました。
この扇風機は、解体するのが楽なので、掃除が楽です。
掃除が楽なのは、本当にありがたいことです。

採血

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朝、ぼくの持ち主は
ぎゃーっと言って
目覚めました。
なぜかというと
すごい夢を見たんです。
なぜか、いきなりお医者さんに
採血された持ち主。
手首にちくっと
痛みが走ります。
なかなか出ない血液に
お医者さんがつぶやきます。
採血、しにくい方かな?
いえいえ。持ち主は、血管が青白く浮き上がるので
女性にしては採血しやすいと言われているのです。
そんな話をしようとしたら、お医者さんがぎゃーっと叫びました。
なんと、お医者さんの持つ採血用の器具から
真っ赤な大量の血が、溢れ出しそうになっているではないですか。
その量、およそ500mlほど。
鮮やかな大量の血を見て、持ち主もぎゃーっと叫んで目覚めたのです。
血が流れる夢は、吉夢らしいです。幸運が舞い込んでくるらしいです。
正確には、血が流れてはいないけど、これは良い夢にちがいありません。
たぶん、そろそろ良い事が起こると思います。

器用

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ずっと気になっていた
障子の破れ。
この連休で
ようやく貼り直しました。
アイロンで貼るなんていう
少々邪道なアイテムを
使用したのですが
なかなか上手にできました。
持ち主って、案外器用なんですね。

葉っぱちゃん

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最近、ぼくの持ち主の
葉っぱたちの元気がありません。
ホコリや油にまみれて
息ができないせいなのか
もう、株自体が
年をとっているせいなのか
理由はわかりませんが
とにかく、元気がありません。
経験上、葉っぱの元気がない時は
枯れそうな葉を取り
葉っぱの汚れを取り、密集している枝を間引きします。
そうすると、新しい芽が出て緑が元気になります。
しかし、間引きをしてびっくり。
数本の枝を切った結果、なんとも間抜けな形に仕上がりました。
持ち主が世話を怠っている間
葉っぱちゃんは成長する場所を自らみつけ、おかしな形に成長していたのです。
ごめんね、葉っぱちゃん。ちゃんと見てなくて。
持ち主は葉っぱちゃんに謝ったのでした。

割合

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ぼくの持ち主は
幼い頃からおしゃべりでした。
大人になって、少しは
変わったかもしれませんが
相変わらずのおしゃべりです。
そんな持ち主が
高校生の時に付き合っていた人は
とても無口な人でした。
ふたりでいるとき
9割は持ち主が話し
彼が話すのは、相づちも含めての1割といった感じでした。
そんな彼と数年前に再会したのですが
最近、彼とのLINEの履歴を見て思ったのです。
発言しているのは、持ち主が9割。彼は1割。
その性格は、お互い大人になっても変わらないようです。

階段からの風景

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ぼくの持ち主が
駅の階段を降りようとすると
ホームには
たくさんの人がいました。
白いシャツに黒い髪の毛ばかりで
白黒に見えます。
その時、持ち主は
あることを思い出したのです。
中学一年生の夏を
イギリスで過ごした持ち主。
その時、持ち主は
人が大勢集まっているところを
上から見た時
色々な色があることを知りました。
金、髪、黒、白。
ところが、日本に帰ってくると黒ばかりで、なぜか衝撃を受けたものです。
あの時の記憶が、いきなりよみがえって、なんだか不思議な気分になったのです。