ぼくの持ち主は
日本人らしい顔つきなのですが
一人でいるせいか
日本の方にも英語で
話しかけられます。
持ち主が通路側の席に座っていると
日本人の女性二人が
エクスキューズミー
と、やってきました。
窓際と真ん中の席に座るようです。
持ち主が立ち上がると、サンキューと言いながら、二人は席につきます。
持ち主は、本を読みながら、機内で過ごしていたのですが
ふと、隣の2人組が気になり始めました。
持ち主の隣の女子が大変優しい人で
もう一人の女子にジュースを取ってあげたり
ゴミを捨ててあげたりしているのです。
そして、ふたりで話し込んでいます。
本当に来れてよかったね。とっても幸せ。といった会話です。
楽しそうでうらやましいな。やっぱりひとりはつまらんな。
と思った次の瞬間、持ち主はようやく気づきました。
ふたりは手を握りあい、見つめあっていました。
そう。ふたりは恋人同士だったのです。
ああ。持ち主ったら、さきほどの出会いに続き
またまた見せつけられてしまいました。
月別アーカイブ: 2013年11月
13 後悔
12 大成功
人の波に流されながら
機内から出て
お店をぬって歩くと
エアロトレインが
見えてきました。
ドキドキしながら
乗り込み、一駅目に到着し
ここはどこかと
キョロキョロしていると
同様に不安だったのか
ヨーロピアンのお姉さんに
ここは、イミグレーションかと尋ねられました。
持ち主が、わからない。
と、答えると、側にいた親切な地元の人が、そうですよ。と、答えてくれました。
エアロトレインを降り、人の波に飲まれそうになりながら看板を探します。
人の波は、イミグレーションへ続きますが
持ち主は、国内線乗り換えに行かねばならないのです。
ドキドキキョロキョロしていると、看板がありました。
でも、そっちの方には人っ子一人見当たりません。
不安になりながらも、看板に従って進むと
小さなイミグレーションがみえてきたのです。
11 乗り継ぎ
10 出会い
9 機内
8 お買い物王
7 大量の荷物
成田エクスプレスの中では
なんだかちょっと
トイレの匂いが漂ったり
子供が泣き叫んだりと
あまり落ち着きませんでしたが
寝不足のため
持ち主はぐっすり眠っていました。
成田空港に到着したのは
出発の2時間半前だったので
これは余裕で
チェックインができるぞ
と、持ち主は思っていました。
ところが、そんな都合のよいことはなく
チェックインカウンター前には長蛇の列ができていたのです。
どうやら彼らは、マレーシアからの団体ツアー客のようで
大量の荷物をひとり、三箱くらいの段ボールを所持しています。
添乗員と思われる人がかけずり回りますが
なにせ、大量の荷物、手続きがなかなか進みません。
そしてその荷物を見て、持ち主はその中身が気になって仕方がありませんでした。
一体、なにをそんなに買ったんだろう?
しかし、残念ながらこの謎は、その後解けることはなかったのです。
6 眉毛なし
5 走る持ち主
4時半に起きたぼくの持ち主は
寝ぼけていました。
準備はまだ完璧でなく
必要なものをスーツケースに
たらたらつめています。
電車は5時58分で
家を出るのは
午前5時50分の予定です
いつもの持ち主ならば
大抵、何時までにこれをやれば
間に合うとか、そんな計算をするんですが
たぶんぼけていたんです。
着替えて、トイレから出た持ち主は、時計を見て驚愕しました。
なんと、時刻は5時44分。出発まで6分しかありません。
化粧は愚か、荷物もすべてを確認していません。
持ち主は、大急ぎでスーツケースを閉め、お金とパスポートだけを確認し
顔には下地だけ塗った状態で
スーツケースをかついで飛び出しました。
家を出た時刻は5時56分。電車が出る2分前です。
持ち主は、10キロ近いスーツケースをかついで、猛ダッシュします。
引っ張ってる余裕なんて、ないんです。