もしもあなたが

ぼくの長年に渡るファンならば

もちろんご存知でしょう。

ぼくには彼女がいます。

お好み焼き屋さんを営んでいます。

今日、久しぶりに、彼女に会いました。

あいかわらず可愛かったです。

ところでぼくの持ち主は

見てみたいものがあったのです。

それは、彼女のブログに載っていた

光って歌うマーライオンのまーくんです。

彼女が、ぼくとの再会を喜ぶ時間も与えず

持ち主は言いました。

まーくん、見たい！

そして、まーくんはあらわれました。

あらかじめ、彼女のブログ内で確認はしていましたが

体長が意外に小さいのに驚きました。

スイッチを入れると、まーくんの目が光りだします。

そして、かなり大きな声で歌い出したのです。野太い声です。

持ち主は大興奮で、光るまーくんに見入っていました。

持ち主よ。そんなにまーくんが好きならば

彼女のお店にちょくちょく行くようにしましょう。

ぼくのためにも。

ぼくの持ち主は

移り気な性格をあらわしているのか

様々な髪型を試してきました。

おとなしそうなロング

お菊人形のようなボブ

スフィンクスみたいな

ロングのスパイラルや

一番長いところが

３センチくらいしかないショート。

最近は、少しおとなし目な

ミディアムロングにしています。

なので、あまり

アーティストっぽくはありません。

それにひきかえ、持ち主姉は

アシメントリなショートカットです。

だから、見た目からだと、持ち主より

持ち主姉の方がアーティストみたいに見えるようです。

持ち主は、少し考えました。

やはり、皆さんの期待を裏切らないように

いかにもなファンキーな頭にすべきだろうか？

赤く染めるとか、坊主にしてみるとか、アフロにするとか。

それはそれで、なんだか楽しそうです。

でも、職場では確実に浮くと思います。

それは、夕方の電車の中での

出来事でした。

すわっているぼくの持ち主の

一つ向こうには

茶髪にロン毛、足にはビーサン

焼けて真っ黒のお兄さんが

少し行儀悪く

足を組んで座っていました。

そこに

結構なお年のおじいさまと

60代くらいのご夫婦の

３人組が現れたのです。

お兄さんの両隣は空いており

ご夫婦は、その一方におじいさまを座らせようとしました。

すると、ロン毛のお兄さんは、いきなりピシッと立ち上がり

ご夫婦にどうぞどうぞと、いいました。

いやぁ、我々は、いいんですよ。と、いう夫婦に

恥ずかしげに微笑みながら、お兄さんは行ってしまいました。

人は見かけによりません。

持ち主は、少しだけ幸せな気分になりました。

ぼくの持ち主の目に

物もらいができました。

たぶんお疲れで

抵抗力が弱っているのでしょう。

いまは、どんな菌にも

負けてしまいそうです。

持ち主は、それだけパワーを

使ったのでしょう。

持ち主の個展は

おかげさまで無事に終了しました。

ご来場くださったみなさま。

おやつやお花を

くださったみなさま。

応援してくださったみなさま。

楽しんでくださったみなさま。

愚痴を聞いてくださったみなさま。

厳しい言葉を

かけてくださったみなさま。

本当にありがとうございました。

持ち主は今

作る人としてのスタートラインに

立ったばかりです。

この先、いじけることや

悩むこと、苦しむこと

たくさんあるかと思います。

けれども、

優しいたくさんの人々に囲まれ

持ち主は、マイペースに

がんばることと思います。

みなさま

これからも持ち主のことを

よろしくお願いします。