持ち主が朝目覚め、蛍光灯をつけようと紐を引っ張った瞬間でした。
ぶちっという音がしました。蛍光灯の紐が切れたんです。
寝ぼけていた持ち主の頭は瞬時に動き始めました。
紐は、結構根元で切れたようです。
まずは蛍光灯カバーを外さなくてはなりません。椅子にのぼって、カバーと格闘します。けれどもうまくいきません。
部屋の中が暗くて、手元が見えないのです。
数分格闘し、静かにパニクっていく持ち主。
そうなんです。ぼくの持ち主は暗いところが苦手なんです。
しかし、ここでパニクってもなにもなりません。
深呼吸して落ち着きました。そしてどうにかカバーを外し、ちぎれた紐を引っ張って電気をつけました。
たかが紐。されど紐。これがちぎれただけでこんなにも不便になるとは。