そういえばぼく、持ち主の実家で
不思議な体験をしたのです。
朝方ねこが一匹やってきて
持ち主のお腹の上に両手を置き
ごろごろとのどをならし始めました。
そのねこの重さで
持ち主は目を覚まし
朝ごはんを食べに行きました。
その時、確かに持ち主は
ねこにいじくられないようにと
ぼくを綿毛布の中に隠していったのです。
ところが、持ち主がごはんを食べて戻ってくると、ぼくは枕の横に座っていたのだそうです。
いったい、ぼくはどうやって綿毛布から出て枕の横に座ったのでしょうか?
まったく覚えていないのです。
綿毛布の残り香に興奮して戯れてたのですが、前転後の現状復帰が不十分でした。体操熊として僕はまだ未熟なようです。