ぼくの持ち主一家における
お正月の恒例行事といえば麻雀です。
一年に一度しか開催されないため
参加者はまず、麻雀を思い出すことから始めます。
そして、参加者が麻雀を思い出したころ
その年の運気が見えてきます。
持ち主一家は、麻雀のツキこそが
その年の運勢を左右すると考えているのです。
今年は久しぶりに
ぼくの持ち主にツキが回ってきたようです。
なかなか負けない持ち主に罵倒を浴びせる家族たち。
それは、持ち主がトイレから戻ったときのことでした。
持ち主父、持ち主母、持ち主姉の3人はにやにやしています。
それから、持ち主姉が勝ち誇ったようにいいました。
机を回してやったわ。これでツキは私のもの。
どうやら3人は、持ち主の席にツキがあると考えましたが、席を変えることができないため
机を回すことでツキを呼び込もうとしたようです。
けれどもその後、3人の努力もむなしく、持ち主は勝ち続けたのでした。