しろくま九州へ行く〜つり橋の悪夢〜

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温泉から出たぼくらは

疲れてぐったりしてしまいました。

そこで、泥湯に行く予定を取りやめ

九重夢大橋に向かうことにしました。

ぼくの持ち主はこの時

その橋がどんな橋なのか

まったくわかっていませんでした。

レインボーブリッジとかの

イメージでいたのです。

だから持ち主は

橋に到着したときに驚いたのです。

てっきり、車でぶ〜んと、通り過ぎるものかと思っていたのに

持ち主姉が、駐車場に入っていくではないですか。持ち主は、尋ねました。

もしかして、歩いて橋を渡るの?

すると持ち主姉は、怪しげな大分弁で答えました。

そうやけ〜ん。いま、大分で、一番おしゃれなスポットやけ〜ん。

そう言われてみると、向こうの方に、橋がかかっていて

そこにはたくさんの人が行列をなしていいます。

でも、持ち主はまだ、大切なことに気がついてはいなかったのです。

車を下りて、橋に向かいます。さすが、今一番おしゃれなスポットです。ものすごい人の数です。

持ち主たちは、行列に並んで、橋を渡る順番を待っていました。

ゆっくりゆっくり、行列が進みます。

長いなぁ。どれくらいあるんだろう。

さぁ、ねぇ。

ふたりが話ていると、後ろのおじさんが教えてくれました。

390メートル。谷底までが173メートルやけん。

390メートルということは、往復780メートルということです。

それを、このたらたらしたスピードで進むのでしょうか?かなり、いらいらしそうです。

一歩一歩進み、ようやく橋の上に入りました。でも、すぐ後に持ち主は気がついたのです。

さっき入ったと思ったのは、橋の入口ではなかったのです。

なぜなら橋だと思ったところから数メートル先がゆらゆら揺れていたからです。

そこまできて、持ち主は初めて知ったのです。

この橋が、巨大な390メートルのつり橋だったことを。

よく見ると、看板にも、九重夢大「吊」橋と、書いてあるではないですか。

持ち主姉が叫びます。

TJ、ちゃんと入れた?落としたら、取りに行けないからね。

当たり前です。下は谷底です。

巨大つり橋は、揺れます。ワイヤーは、ところどころでぎしぎしと音をたてます。

下は谷底です。横を見ると、山の間に滝が流れています。絶景です。しかし、こわいです。

歩こうとすると、橋が揺れてまっすぐ歩けません。ふらふらしながら進みます。

橋の巾は狭く、3人が並べる程度です。

持ち主はただ、前方を歩く人の背中を見ながら、まっすぐに進むだけです。

たらたらしていらいらなんてしません。ただ、淡々と歩くだけです。

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ようやく向こう岸にたどり着きました。

もう、足の下は揺れていません。

ぼくらは、一休みしました。

でも、安心できません。

まだ、帰り道があるのです。

持ち主は言いました。

これは夢大吊橋じゃないよ。

悪夢大吊橋だぁ。

帰り道は、行きより早く進みましたが

相変わらず恐怖でした。

持ち主は、もう当分、吊り橋を渡りたくないと思っています。

☆TJメモ☆

九重”夢”大吊橋

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