ぼくの持ち主が歩道を歩いていると
向こうからバンがやってきました。
車体には、デイケアサービスと
書いてあります。
持ち主の前で
車が徐行して停車すると
ふと、乗っている人と
目が会いました。
お年を召した女性です。
その女性は、持ち主と目があうと
いたずらっ子のように笑いました。
そして、車が動き出すとき
無邪気に手を振ったのです。
持ち主は一瞬驚いたのですが、思わず手を振り返していました。
その車を見送ったあと、なぜでしょうか?
持ち主の心の中は、楽しいような悲しいような
うまく説明できない複雑な気持ちが、しばらく、行ったり来たりしたのでした。
うん、そうだね。持ち主さんの気持ちわかるなぁ。
でも、たのしそうにしてくれたからよかったね。
しゅわさん
そうなんです。とっても楽しそうだったのです。
でも、なんだか心にひっかかるんですよ。