ぼくの持ち主の実家に住む
猫のまりあちゃんの鳴き声は
とてもかわいいです。
まりあちゃんは、それほど美猫とは
言えない顔だちですが
鳴き声だけは大変かわいいのです。
でも、まりあちゃんは
あまり鳴かないのです。
そんなまりあちゃんが鳴くときは
たいていなにかを要求しているときです。
その日も、まりあちゃんは
とろけるような甘え声を出して鳴いていました。
まさに猫なで声です。
そんな彼女に持ち主は言いました。
まりあ。なにがそんなに欲しいの?こっちにおいで。こっちに来たら愛をあげるよ。
すると、まりあちゃんは、無表情に持ち主をじっと見つめていました。
そんな彼女の気持ちを代弁するように、持ち主姉が答えました。
愛なんかいらないわ。わたしを愛しているならマタタビをちょうだい。
まりあちゃんは、それが本心なのか、ふたたびにゃーと鳴きました。