夢を見るとき、ぼくの持ち主は

本当に時々のことなのですが

正夢のような夢を見ます。

そういえばこんな夢を見ました。

その時持ち主は

仕事で携帯電話の

調査表のようなものを

作っていました。

夢で、長らく会っていない

お友達が現れたので

持ち主は聞きました。

携帯、なに使ってる？

するとお友達は言いました。

ドコモ。富士通の白。

後日、本当に久しぶりにそのお友達に会うと、なんと白いケータイを持ってます。

そして、ドコモです。

持ち主は、少し怖くなりましたが、勇気をだして聞いて見ました。

富士通のケータイを使ったことがあるかどうかです。

お友達は、ない。と、言いました。

それを聞いた持ち主は、残念なような

ほっとしたような気持ちになったのでした。

ぼくの持ち主は

毎朝同じものを食べていますが

そこには主義主張が

あるわけではありません。

一応、美味しいと

思ったものを食べてます。

パンは、近所のパン屋さんの

天然酵母パンを

ずっと食べていました。

ところが、地震後に手に入れられず

ポンパドウルのパン、パン・オ・ムールを買ってみました。

今まで、ほかのパンを食べても、続けて買おうと思ったことがなかったのですが

このパンは、なかなかどうして持ち主好みです。

ついつい、リピート買いしてしまいました。

さすが、ルイ１５世の愛妾の名を冠したパン屋。

持ち主はその魅力に、参りそうです。

ぼくの持ち主は、持ち主母から

苺ジャムをもらいました。

身内が言うのもなんですが

持ち主母のジャムは

とても美味しいです。

まだ苺の形が残っている

苺ジャムは、甘酸っぱくて

とろりとしていて

ついついたくさん食べちゃいます。

持ち主母は、ジャム作りがとても上手です。

主に作るのは、ブルーベリージャム

マーマレード、苺ジャムなどです。

持ち主は、苺ジャムが一番好きかもしれません。

おいしいジャムを作る秘訣をたずねると、持ち主母は答えます。

土鍋よ。

持ち主母曰く、長年さまざまなものを煮込み続けた

土鍋で煮るとコクが出るんだそうです。

本当でしょうか？

ぼくの持ち主はよく

不思議な事件に遭遇しますが

それらは決して解決せず

謎として残ることがほとんどです。

しかし、たまには

解決することもあるのです。

その日、用事があった持ち主は

午前中にお休みをもらい、午後に

出社することになっていました。

電車から降りたときです。

持ち主は、それに遭遇したのです。

持ち主の目に写ったもの

それは、布団に大の字で寝転ぶホームレス風のおじさんでした。

そうです。

つい最近のあの事件、駐車場に敷いてある布団事件の真相です。

真相を知った持ち主は

真実って、知ってしまうと、意外とおもしろくないんだな。と、思いました。

それは持ち主が

新しい会社に行きはじめてから

数週間たったときのことです。

持ち主のグループには

かわいらしい女性が２人います。

それは、そのうちの

ひとりの女性のフルネームを

知った時のことでした。

ぼくとぼくの持ち主は

仰天したのです。

なぜなら、彼女のイニシャルが、ＴＪだったからです。

しかし、あまり親しくない人に、ぼくとイニシャルおそろいですね。

と、ぼくが話しかけるのは、かなり怪しいでしょう。

そこでぼくは、機会を伺っていました。

そんなある日のことです。

だんだん親しくなっていった持ち主が、とうとう彼女に言ったのです。

イニシャルって、ＴＪ？

すると彼女はにこやかに答えました。

そうですよ。

そこで、ぼくが登場したのです。

実はぼくもＴＪなんです。おそろいですね。

彼女は、少し眉をひそめてぼくを見ました。

でも、確かに笑ってくれたのです。

ぼくと持ち主は、ＴＪに出会ったのです。

ある文字が目に入ってきました。

デビル

悪魔です！なんてことでしょう。

町の真ん中でデビルなんて

大変、不謹慎です。

でも、持ち主は

ちゃんとわかってたんです。

きっとこれは、持ち主の得意な

見まちがいです。

で、考えたわけです。

ほんとうは、なんて書いてあるのだろう？

ところが、デビルの文字に近づいていっても、デビルはデビルなんです。

おかしいと思った持ち主は、次の瞬間に打ちのめされました。

なぜなら、デビルの手前に文字が見えたからです。

それは、カミ。

神です。

神デビルです。

悪魔なのに神なのです。

大興奮の持ち主は、近づいてよく文字を見ました。

やっぱり書いてあります。

カミデビル。

カミデビル。カミデビル。

つぶやいて、ようやく持ち主はわかりました。

カミデビル。カミ、デビルではなく、カミデ、ビルでした。

まぁ、人生そんなもんです。

ぼくの持ち主のために

大分に住む姉が

丹精こめて野菜を干し

干し野菜を作ってくれました。

その野菜が

持ち主邸へと到着したので

持ち主は、さっそく

干し野菜を使った料理を

作ってみることにしました。

干し野菜といっても

パリパリではなく

しっとりしていて水分が

半分くらいになった感じです。

持ち主は、干し白菜を刻んでキムチ炒飯とともに炒めてみました。

見た目は普通の炒飯ですが、食べてみたらあらびっくり。

なんだか味にコクがでてるみたいです。なかなか美味しいです。

持ち主は、持ち主姉に感謝しました。

ちなみに、干しキャベツは豚肉炒めになり

干しズッキーニは、まいたけとともにマリネになりました。

どれも大変美味しかったです。

それは朝、まだ少し

寝ぼけていたかもしれない

ぼくの持ち主の話です。

地震後、早起きしてなるべく早めに

家を出るようにしていた持ち主は

まだ、クリアになっていない頭で

電車のホームに並んでいました。

持ち主は、左手の方に

紙パックジュースの

自動販売機があったので

なにげなく、それを見ていました。

すると、飲み物の自動販売機にはあるまじき文字が

持ち主の目に入ってきたのです。

黒豚

黒豚？どんな飲み物？

持ち主はパックを凝視しました。

なんだか中華っぽい柄です。

まさかまさか、黒豚じゃなくて酢豚？酢豚のジュース？

そこまで妄想してから分かりました。

黒豚でも酢豚でもなく黒酢でした。

その日

電車を降りたぼくの持ち主は

なにげなく

ホームから見える景色を

眺めながら歩いていました。

すると

なにやら不思議なものが

目の中に入ってきたのです。

それは布団です。

布団が捨てられているのは

それほど珍しい風景ではありません。

けれども、その布団が敷いてあったら。それも外に。

それはかなり珍しい光景だと思います。

そうなんです。その布団は、なんと駐車場の車の前に敷いてあったのです。

それも、敷き布団、毛布、掛け布団と重ねて敷いてあったのです。

そのうえ、あたかも、誰かが寝ていて

そこから起き上がったかのような人の形が、できているではないですか。

誰か、寝てたんでしょうか？起きて朝ごはんでも食べに行ったのでしょうか？

謎です。不思議です。

またもや持ち主は、未解決事件に遭遇してしまいました。

最近

デパートも開くようになって

なんだか少しだけ

街の活気を

感じられるようになりました。

そんなある日、ぼくの持ち主は

久しぶりに

立川の伊勢丹に行きました。

用事を済ませて

エレベータを降りる持ち主の目に、それらははっきりと映ったのです。

そこには、白い毛むくじゃらの大きな塊がありました。

なんだろう？

持ち主は不審に思い、エレベータを降りて塊に近づきました。

よく見るとそれは、白くまの親子ではないですか。

ぬいぐるみのようですが、相当な大きさです。

彼らは、デパートの真ん中で気持ち良さそうに寝ています。

持ち主は、こっそりと母くまを撫でました。

その大きくて白いふわふわの塊に、持ち主はなんとも癒されたのでした。